Cyber-Shot DSC-T300 インプレッション


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実は、サイバーショットを試すのは DSC-F505K(1999年) 以来だったりする。1999年頃のデジカメといえば性能向上が著しいものの、まだ一般ユーザの軸足はフィルム式にあった時代。デジカメはまだ物好きが買うレベルの製品だったように思う。

F505Kは2年ほど使ったものの、購入当初は物珍しく嬉しかったレンズ中心の大柄なボディも携帯性の悪さが目立つようになり、また、画質面でもビデオくさいというか、当時はサイバーショット全体がそうだったのだが、動画ビデオから1シーンを切り出したような色調も気になり、CanonのPowerShot S40に乗り換えた。

それ以降、サイバーショットも着実に改良を重ね、各サイトのサンプル写真を見る限りでは、以前のようなビデオ的な色調とは決別し、写真らしい色が出るようになってきたように思う。近年のサイバーショットってどうなってるんだろう、と思ったのが、DSC-W300の貸し出しに応募したきっかけである。


■別の意味で、濃い

恥ずかしながらロクにスペックを確認しないで「タッチパネル式のちょっと便利な薄型デジカメだろう」程度の認識で借りたのだが、甘かった。はっきり言って、これはカメラではないと思った。何か新しい映像デバイスとか、そういった類の機器といってもいいかもしれない。

まず使い始めに説明書を読む。紙の説明書はなんとわずか40ページしかない。ペラペラである。ある程度デジタルデバイスへのリテラシーがあることを期待されている。140ページほどのメインの説明書はPDFでCD-ROMに収録されている。

本機で一番特徴的なのは背面だろう。タッチパネルの採用で、ボタンが1つもない。道具として使いやすいカメラを作ろうという意識はみじんも感じられない。その代わりに、使って楽しい映像デバイスにしたいという意図が感じられる。みんなで回し見するための大画面なのだろう。


■液晶の汚さに面食らう

まずどこを握っていいのか解らない。画面全体がタッチパネルなので、撮影中に画面に触れると誤操作の原因になる。つまり背面には普通のカメラにはある親指を置く位置がなく、本体を上下からつまむ形にならざるを得ないが、これでは力が入らないので、必然的に両手で構えることが必須となる。

電源を入れると、液晶の汚さに面食らう。サイズの割にドット数が荒いのだ。フォーカスはAFが基本だと思うが、ちゃんとAFが合っているかどうかは映像からはわかりにくい。AF合焦のインジケーターを信用するしかない。

メニュー類はタッチパネルですいすいと操作できるかと思いきや、メニュー構造が大変回りくどい。いちいち「OK」を求められるなど、機敏な操作を目的としておらず、優しい操作を目的としているかのような作りである。

とにかく、いざ撮影するときに本機の設定をタッチパネルで細かく弄っているとチャンスを逃してしまうことは多いだろう。チャンスを狙うのだったら実用上は覚悟を決めてAuto任せにするしかない。


■スマイル検出中は何もできない

この機種のウリの1つである「スマイルシャッター」で一番驚いたことは、「シーンセレクション」機能の1つとして実装されていること。「シーンセレクション」というのは、「夜景」だの「ビーチ」だの「スノー」などの、被写体ごとの最適な撮影パラメータを予めプリセットした機能であるが、これはつまり、「スマイルシャッター」はほかのシーンセレクションモードと併用できないことを意味する。

スマイルシャッターには相当な処理能力を使うのは理解できるが、これをメインのウリにするのであれば、スマイルシャッターはシーンセレクションからは独立させるべきだろう。

しかもスマイルシャッターを使うとAFやAEすら効かない(説明書では「合わない」ではなく「合わなくなる場合がある」としか書かれていないので弱めの制御はかかっている可能性はある)ので、顔をロックオンした後、笑顔が出るまでに被写体が前後に動いてしまうとピンぼけになってしまう。この仕様のせいで、スマイルシャッターの成功率は著しく下がってしまうのが残念だ。せめてAFの追従くらいはキッチリして欲しいと思った。


■再生時のスライドショウが秀逸

さすがに映像を楽しむことに注力しているだけあって、なんとカメラ本体だけトランジジョンやBGMつきのスライドショウが再生可能である。BGMはいくつかプリインストールされているが、パソコンから流し込むことも可能である。

また、再生する映像も日付絞り込みは当然、顔認識した映像だけとか、子供の顔認識をした映像だけとか、そういった条件で絞り込みを行った上で再生ができるのも凄い。


■フィルムからの延長だけがカメラではない?

本機を弄って、これは買う方も、フィルムカメラの代替にはならないという点はある程度覚悟しておいた方がいいと感じた。しかし本機に魅力がないかというと決してそんなことはなく、従来のカメラの代替に使うつもりでなければ色々楽しめるのも確かだ。何もフィルムカメラの延長上だけがカメラではない、ということだろうか。過去のカメラからの買い換えではなく、携帯電話のカメラでは飽き足らなくなったユーザが楽しめる機種だと思う。

このカメラには携帯電話の画像編集機能のように、撮影した写真を色々デコレーション出来る機能が備わっており、ムスメ(5歳)は大変気に入ったようだった。付属のストラップに付けられる小型のタッチペンを使って、花柄などのイラストをスタンプのように貼り付けたり、文字を書き込んだり出来る。書き込んだ結果の映像データは、元のデータとは別に保存することができる。


■サンプル

下記のサンプルの通り、画質には何ら特筆すべき点はない。画質は終始モヤッとしており、コントラストは浅く眠い印象だ。レンズの汚れを疑うなど、俺の使い方が悪いのではないかと思い色々試行錯誤してみたが、最後まで満足の行く画質は得られなかった。

実はサンプルを撮るのが苦痛でたまらなかった。とっさの撮影タイミングにタッチパネルでは思ったように操作できず、荒い液晶で撮影結果もどこにフォーカスが合っているか分からないからだ。我ながら、サンプルにも気合いの入らなさが現れていると思う。











1枚上の写真と同一光源で、高感度モードで撮影。ISO1250。色は浅くなるがその分意外なほどノイズが出ていない。
なお、高感度モードとスマイルシャッターはメニューの同一階層にあり、併用できない。


(2008年7月3日)

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