iMac Flat Panel 17inch/1GHzインプレッション




 
●やっちまいました
どうせ人生は一度きり、刺激が欲しくてまたやってしまいました。初代大福をソフマップに売却し、差額でワイド大福(17インチ)を購入。しばらくは小遣いナシですしくしく。
●外装箱
意外にもワイド大福の箱の寸法は15インチ大福と同じである。上が初代15インチ大福の箱、下が17インチワイド大福の箱。初代の箱を開けると大福がいろんなポーズをとっている写真が並んでいるのだが、ワイド大福ではApple Pro Mouseの写真が1つになっている。初代大福の方が可愛げがあったような。
●お菓子?
随所で「お菓子のような梱包」と表現される本体梱包。ちょっとカワイイ。
●液晶の縁の保護材
初代大福ではなかったはずだが、液晶の縁の透明部分を保護する発泡スチロールが追加された。ここが欠けてしまう輸送トラブルが多かったのか?
●初代大福と
初代大福とコンニチワサヨウナラ。こうやって見ると全然違いがあるように見えないのだが、中身は全然違う。
●早速バラす
開腹手順は初代大福と基本的には同じ。相違点は、ボードtoボードのハメにくいコネクタが廃止され、ATAコネクタが2つになった点と、CPUの熱を大福上部に逃がすためのヒートパイプの接続点が2つになったこと。初代大福はHDDと光学ドライブが同一のUltraATA66バスに接続されていたが、新型ワイド大福(1GHz)ではHDDがUltraATA100バスで、光学ドライブがUltraATA66バズにそれぞれ独立して接続されている。光学ドライブ側のケーブルは左の写真のようにテープ止めされているが、このテープは剥がさなくても、2本のATAケーブルさえ外せればドライブユニットは抜ける。
●ヒートパイプの接点
前の項でも触れた、初代大福の1カ所から2カ所に増設されたCPUのヒートパイプの接合点。伝熱剤が綺麗に剥がれなかったのは、買ってきてすぐにバラしたからか?(前回の大福は使い始めて数ヶ月してからバラしたためか、伝熱剤が綺麗に剥がれた。)ここを経由して、大福の上半分(中身は鉄カブト)に放熱される。
●ドライブが外せない正体
ドライブを止めてある6本のネジをバラしても、トレイの先端が引っかかってドライブユニットが取り外せない。なんでやー!と悩むこと10分、ドライブトレイの先端に化粧板が両面テープで取り付けられていることを発見。使われている両面テープは柔らかくて伸縮性があるので、ゆっくりとビリビリと剥がでば綺麗に剥がれる。これで旧型と同様、ドライブユニットが外せるようになる。開腹したままドライブに通電するのは至難の業なので、バラす前に外しておくことを強くお勧めする。また、取り付け位置に迷わないよう、デジカメで化粧版を外す前の取付位置を記録しておくと良い。
●開腹完了
ここまでバラしてやっとHDDの交換が可能になる。大福の液晶画面を保護するために、座布団類は必須だと思うが、そのままではバラしたユニットの置き場に困る。写真では良く解らないが、ドライブユニットの下のシールド板を曲げないように、マンガ本を2冊足場にしてある。また、本体側の足場には、DIMMの箱2つを挟んである。
●冷却ファン
初代大福は松下製の「Panaflo」だったが、今回は「千」がトレードマークの「SUPERRED」。正直、Panafloの方が回転音が滑らかで静か。SUPERREDはざらついた回転音がする。売りに出す初代大福と交換したかったが、いくらなんでもブランドが異なると交換したのがバレバレなので止めておく。
●出荷時のHDD
HGST(Hitachi Grobal Storage Technology)社製 IC35V090 AVV207だが、OSからはIBM製と認識される。7200rpmで80GB、流体軸受けでサイレントシークモードに入っているのかそれなりに静か。写真では写っていないが相変わらずAppleマーク付き。ジャンパはCS(Cable Select)に設定されていたが、特別ファームの可能性もあるので信用はできない。
●Barracudaに交換
しかし出荷時のHDDは確かに静かだが、Barracudaの方が静かさでは一枚上手と感じた。そこで早速Barracuda ATA IV(80GB)に交換。容量が増えるわけではないし速度も大差ないので、単純に回転音が気に入らないだけの目的での交換。
●メモリ増設
PLUS YUで購入した増設メモリ。DDR266(PC2100)の512MBもの。10,999円だったかな。箱はTranscendブランドのものだったが、中身はモセルバイタリック社製チップ。
●OSのリカバリー
交換したHDD(Barracuda)にOSを再度リカバリーする。なお、Barracudaは初代大福でパーティションを40GBx2に切っていたが、そそのまま認識された。ひょっとしたらOSもそのままで起動できたかも知れないが、各所ドライバ周りがアレでカーネルパニックになってもナニなので、予め外付けFireWire HDDのケースに入れて中身を消しておいた。なお、現在大福は全機種DVD-ROMが読めるので、OSのリカバリーディスクはDVD-ROMになっている。VAIOミニタワーなどはとうの昔からリカバリーがDVDなのだが、いやーこれはラクでいい。

それにしても2時間10分ってマジかよ…と思っているウチに15分で完了。相変わらず時間表示はいい加減である。オットーマチックやAppleWorksはこのあとOSが起動してから別途インストールする必要がある。
●起動後の画面
さすがに広いっすね。左図の赤枠の部分が初代大福のXGA(1024x768)のおおよそのサイズ。初代大福で画面いっぱいだったExcelのシートも、ホレ。
●周囲の縁への映り込み
ワイド大福は周囲の縁の白い部分にも艶が付いてしまったため、映り込みがあると鬱陶しい。初代大福は少なくとも縁の白い部分は艶なしだった。ここは改悪だ。


●その他気が付いたこと

●液晶の視野角の狭さ。各パソコン雑誌で触れられているとおり、大福の液晶は、Studio DisplayやPowerBookに比べて狭い。これはコストがかかっていないので当然である。しかし、それを補うために「首」があり、つまり、ある意味大福での視野角問題はナンセンスと言える。

●しかし、大福は意外と奥行きがあるため、設置スペースによっては画面に顔を近づけざるを得ない場合がある。そういったケースでは画面の上部と下部で明るさやコントラストが違って見える。こればっかりは視野角の問題をもろに被ってしまう。大画面液晶の宿命なのでしゃーない。

●首の座り。新品はさすがにしっかりしているが、店頭の中古品などを見ると可動部からのオイル漏れがあったり、首の座りが甘かったりする場合がある。首の座りが甘い場合の強化ワッシャーがマイクロソリューションズ社から980円程度で発売されているが、オイル漏れは「拭く」以外はいかんともしがたい。



●冷却ファン交換
見て見ぬ振りをしてきたが純正ファンの「ごろごろ」という回転フィールに耐えかねて、ファン交換を決意。まずは純正ファンを外す。電源ユニットは外さなくてもファン単体は外すことはできる。
購入したファンは山洋電気の109P0912L407で、92mm角、回転数は1,700rpm。騒音は23dB、最大風量は0.8立方m/min。で、純正のファンは台湾のCHENG HOME ELECTRONIC製のCHA9212DS-TFで、スペック(推定)は、回転数2900rpm、騒音36dB、最大風量は1.4立方m/min。

当初80mm角、回転数1300rpmの「超静音」タイプ(風量0.44立方m/min)の山洋109R0812J404も試してみた。さすがに静かだが、Mac OS Xを起動しているだけで大福筐体が表面の樹脂まで熱くなってきたので、諦めた。92mm角用の取り付けスペースに80mm角を無理に取り付けたため、取り付けも不安定だったし。
購入してきたファンのコネクタは大福側のコネクタと形状が合わない上にケーブル長も余分なため、加工。赤と青の電源ラインを10cmくらいのところで切断し、電子パーツ(たとえば抵抗やLEDなど)の足を短く切って半田付け。黄色いパルスセンサー線は大福では使用していないようなので、宙ぶらりんで絶縁しておく。これを大福側のファンコネクタに差し込み、ビニールテープで固定する。
大福の純正ファンにはリブがない(青矢印部分)が、何も考えずに購入してきたファンにはリブがある(赤矢印)ため、大福側のファン支持パーツと干渉する箇所が2箇所ある。当初からよーく検討してリブなしを購入してくれば良かったのだが、もっとも田舎電気店には92mm角のリブなしファンなど売っていないので、リブ付きを購入し、リブ部分をニッパーやペンチでベキベキと折ってしまう。

(写真では黒い方が80mm角ファンだが、92mm角ファンも同様にリブがあった。)
取り付け完了。ついでに184pin PC2100 DIMMの方も256MBから512MBに交換しトータルメモリ1GBにして(ぇ、 熱伝達部にサーマルクリームを塗って組み上げて完成。

で、完成後のファンの音だが、音圧自体はスペックほど減った感じはしないものの、音質が台湾産の安いゴロゴロとした回転音ではなく、国産の上質な回転音になったため、耳障り感が低減された。
が!時間が経ってくると山洋電気の109P0912L407とて風切り音が耳についてくる。これは絶対的な回転数をもっと下げないとダメだ!という訳で今度は日本電産のD09A-12PS4-02A(92mm角1200rpm)を通販で購入。2,580円。早速取り付けて稼働させたところ、んーこれは満足。風切り音も少ない。大福の筐体もさほど熱くならない。暫くはこれで行くことにする。


●ファンのまとめ
交換した各ファンのインプレッションをまとめておく。

製品 直径/
厚さ
[mm]
回転数
[rpm]
騒音
[dB]
風量
[m^3/min]
iMacの温度上昇(室温比) インプレッション
CHENG HOME ELECTRONIC製
CHA9212DS-TF
(純正ファン)
92/25 2900
(推定)
36
(推定)
1.4
(推定)
未測定 風切り音はそこそこだが、回転音がゴロゴロという感じで滑らかではない。トータルで不満。この表中唯一の白色ボディ。
山洋電気製
109P0912L407
92/25 1700 23 0.8 ディスクトレイフタ付け根で+26.9℃
排気温+13.7℃
回転音は滑らかだが、モータ径が大きく羽の面積が少ないせいか、風速が速いようで、風切り音が純正より僅かに大きめに感じる。
日本電産(NIDEC)製
D09A-12PS4-02A
92/25 1200 10 0.61
(推定)
ディスクトレイフタ付け根で+11.5℃
排気温+13.7℃
この表中でベストの選択。モーター径が小さく回転数も低いため、相対的に風速も遅く、風切り音も小さい。回転音も小さい。冷却能力は上の行の109R0812J404と同等以上。
山洋電気製
109R0812J404
80/25 1300 12 0.44 未測定だが、筐体を触ると明らかに熱い。 取り付けサイズが合わないため論外。回転音、風切り音はこの表中で最小。


なお、表中の(推定)と記述された項目は、同社の類似製品から推定したスペックである。山洋の109R0812J404より日本電産のD09A-12PS4-02Aの方が冷却能力が高いという興味深い結果になったが…測定ミスかなぁ。それとも本当にモーター径が大きくて、大福ボディの中での風の流れが変わってしまったとか…?排気温は両者同一というのも興味深い(飽和している?)

ともかく、ベストは日本電産のD09A-12PS4-02Aである。


●精算
で、結局いくらかかったのかをまとめた。

費目費用(円;税込)備考
大福本体220,500K's。店に交渉して9,800円引。
512MB PC2100 SO-DIMM12,262通販PLUS YU
512MB PC2100 DIMM+
Fan(1)
12,715PC DEPOT
Fan(2)2,604K's
Fan(3)3,654PC CUSTOM
初代大福売却
+512MB SO-DIMM
+AirMacCard
-127,350Sofmap
512MB PC133 DIMM+
Jaguar, iLife売却
-19.440ヤフオク
合計104,945 


ぐはー。やっぱ10万円くらい足出てますか。無駄にFan買ったのが痛かったなー。

(2002年3月17日〜9月29日)