iDVDで発生する音ずれを修正




  この記事はiDVD1や2を対象に書いています。iDVD4などの場合は、後半部分を参照してください。

iMovieとiDVDを使ってDVDビデオを作成すると、作成したビデオの末尾の方で映像と音声が合っていない(音ズレ)現象が出ることがあります。ビデオの長さが長いほど、現象は発生しやすくなります。

どの時点で音ズレが発生するか調べたところ、iMovie上ではズレていないが、iMovieから書き出した「iDVD用QuickTimeムービー」で音ズレが発生していることが解りました。つまり、iDVD用QuickTimeムービーを修正してやれば良いことになります。これを修正するには、QuickTimeのProバージョンが必要です。お持ちでない方はApple Storeで購入しましょう。

なお、QuickTime6 Proを前提に書いています。ProバージョンでないQuickTimeではこの操作はできません。QuickTime5より前のProバージョンではメニューの位置が違うと聞いています。

修正手順:

(1)iMovieでiDVD用として書き出したQuickTimeファイルを、ダブルクリックしてQuickTime MoviePlayerで開く。

(2)「編集」-「トラックの取り出し」メニューを実行し、出てきたダイアログで「オーディオトラック」を選択し、音声トラックを別ウインドゥに取り出す。

(3)「編集」-「トラックの取り出し」メニューを実行し、出てきたダイアログで「オーディオトラック」を選択し、映像トラックを別ウインドゥに取り出す。

(4)(2)で取り出した音声トラックに対し、「編集」-「すべて選択」したあと、「編集」-「コピー」をする。

(5)(3)で取り出した映像トラックに「編集」-「拡大/縮小して追加」で貼り付ける。

(6)再生して、映像と音声のズレがないか確認する。

(7)名前を付けて保存する。保存した動画を使ってiDVDでオーサリングを行う。

私の環境では、発生した音ズレのすべてがこの方法で回避できました。しかし、ソニーのDVメディアコンバータや旧型のハンディカムを使っている場合、iMovieに取り込んだ時点で既にズレていることがあります。最近のハンディカムでは問題が少なくなってきているので、おそらくコーダLSIか通信LSIに起因するビデオパケットやオーディオパケットの欠落が原因だと思われます。その場合にはこの手法は使えず、iMovie上でコマメに音ズレを修正する必要があります。

余談:

大量のビデオデータを扱う場合、PowerMac以外の機種では外付けのFireWire HDD(FW HDD)を使うことも多いと思います。FW HDDを使用中に他のFireWireポートにハンディカムなどを接続すると、FireWireバスがリセットされるため(規格上そうなっている)、一瞬、FireWire HDDの接続が切れます。FW HDDをiMovieやiDVDの作業ディスクとして使っている場合、レンダリング中にFW HDDの接続が切れるとそれまでの長い時間の成果がおシャカになる可能性がありますので注意してください。

但し、FireWireのコントロールLSIがポートごとに付いている高級な機種ではこの限りではありません。


補足(2003.06.21記):

iDVD3になっても、まだ音ズレの問題は引きずっているようです。それを修正する方法がこちらの「Digital Boo」さんのページに掲載されています。2003.04.21の分です。お悩みの方は是非ご一読を。


補足(2003.08.06記):

iMovie3だが、長尺もの、または、シーン数の多い映像にチャプタを付けると、思った位置に付かないことがあります。チャプタ設定時の時間表示やサムネールが少しずれた位置の表示になる場合があるので、正しい位置で頭出しができるよう、iDVDを起動する前に何度もプレビューすることをお勧めします。サムネール画像や表示されたタイムスタンプや、画面下部のサムネール上に表示される赤いマーカーに固執するのではなく、あくまでチャプタをクリックしたときにどこが頭出しされるのか、を見極めてチャプタの位置を決めるのがポイントです。


補足(2004.02.16記):

iDVD4になって、「オーディオを抽出する」というTipsが生み出されたが、今度はシーンやエフェクトの切り替わり目で音声がプチプチ途切れる問題が発生しているようである。それでは解決になっていない。

しかし、どうも音声が16bitだと大丈夫っぽいので、手元の大事な素材は、以下の手法で片っ端から音声を16bit化している。なお、試したカメラはSony DCR-PC110である。

(1)12bitの素材を、一旦iMovieで取り込む。
(2)ビデオカメラの音声を16bitモードにする。
(3)(1)で取り込んだ映像をビデオカメラに書き戻す。

この16bit化したテープから再度取り込みを行い、iDVDでDVD化すれば、音声ズレが今のところ発生していないようである。


(2004年11月21日)

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