無線LAN(IEEE802.11b)トラブル対策集




 
MacとWindows、MELCOとAppleとI/O DATAとNTT-MEが混在する自宅無線LAN環境で培ったノウハウを書き留めておきます。
他社の装置を使った場合でも参考になると思います。



■環境

親機:NTT-ME MN128SOHO Slotin + SS Lan Card 11
子機1:AirMac (40bit WEP) + G4Cube/450(or iMacFP/800) + MacOS 9.2〜MacOS X 10.2
子機2:NTT-ME SS Lan Card 11 + LavieNX/(P2-333) + Win2000
子機3:MELCO WLI-PCM-L11GP + VAIO Z505N(P3-450) + WinXpHome
子機4:I/O DATA WN-B11/PCM + VAIO Z505N(P3-450) + WinXpHome
※子機3と4は同一マシン。



■無線LANの機材購入にあたって

・2002年夏現在、無線LAN機器類は、いわゆる「相性」と呼ばれる問題が存在しているのは事実である。不幸にも相性問題が発生した場合、機器を買い換えるくらいの最低限の予算は見積もっておいた方がいい。

・各機器に内蔵されている通信LSIのメーカーや世代が違うと、安定した接続が確保できない(通信がしばしば切れる)ことがあるので、親機(ルータ)と子機(PC側のPCカード型無線LANカードなど)のメーカー、シリーズは揃えるのが望ましい。相性問題をほぼ回避することができる。

・最近は無線LAN機能がPCに内蔵されていることもしばしばあるが、親機に内蔵されている通信LSIのメーカーと、PCに内蔵されている通信LSIのメーカーが異なる場合、希に安定した接続が確保できないことがある。この場合、親機を買い換えるか、PC側に別の無線LANカードを装着するかのいずれかしか解決策はないが、せっかく無線LAN機能がPCに内蔵されているのに、それとは別にPCカードを装着する必要に迫られるのは面白くない話ではある。そういう意味でも、無線LAN機能内蔵PCを導入する場合、メーカーが動作確認した親機を選ぶか、自身で親機との相性情報を収集する必要がある。

・無線LANを経由することによって、当然のことながらスループットが若干低下する。スループット低下の実測値は、2.4GHzのIEEE802.11b準拠の機器を使い、ADSLで500〜1Mbpsの速度が出ている回線の場合、通常の有線LANと比べて、50〜70kbps程度遅くなった。

・無線LAN機器は電力を結構食う。バッテリーが90分くらい持つノートPCの場合、無線LANを使用すると、15〜20分くらいバッテリーの持ちが悪くなる。



■ノウハウ集

・世の中のAirMacカード(Apple製無線LANカード)には2001年末現在、40bitWEP対応の初代モデルと、128/40bitWEP対応の2代目がある。これらの機器を混在させた場合、設定はビット数の低い方に引っ張られる。

・AirMacカードに暗号キーを入力する場合、16進数なら頭に半角$を付けた20桁(40bit)の16進数、文字列で指定するなら半角””(ダブルクオーテーション)で囲った5文字の文字列である。

・NTT-MEのカードでは、暗号キーを文字列で指定することができない。従って、一台でもNTT-MEの装置が入った無線LAN環境では、暗号キーはすべて20桁の16進数で指定する。

・NTT-MEの親機では、40bitの暗号キーを4つ登録して切り替えることが出来るが、標準キーは「1」以外はAirMac側から認識することができない。

・AirMac(MacOS X含む)から親機にアクセスできない場合は、親機側で「空白のSSIDによる接続を許可する」設定にしたり、プロバイダのDNSサーバーアドレスをクライアントのMacのTCP/IPコンパネに設定すると解決することがある。

・WindowsXp搭載機が、現在稼働中の無線LANの系統に入ってくると、その無線LANの系統全体がダウンすることがある。この場合、そのWindowsXp搭載機の無線LANドライバをアップデートするか、違うメーカーの無線LAN機器の交換すると解決することが多い。

・最新版ドライバやユーティリティーを試す。他機種用に配布されているものでも、readmeを良く読むと使えるようになっていることもある。たとえば、MELCO WLI-PCM-L11GP用の最新ユーティリティーは、2001.12.21現在、旧型WLI-PCM-L11Gと共用できるが、それはWLI-PCM-L11Gのページからダウンロードして、解凍、readmeを確認しないと気が付かない。また、「ドライバ」と「ユーティリティ」の双方をアップデートしないと問題が解決されないケースもある。

・突如無線LAN全体が動かなくなった場合も、無線LANのチャンネルを変えると有効な場合がある。ただし、チャンネルの最大値は機種により若干違うので注意。

・WinXpで無線LANが「一瞬繋がるが安定しない」とか「親機を再起動すると少しの間は繋がるがまた切れる」場合は、子機側の無線LANドライバの更新で解決することがある。各無線LAN機器メーカーが出している最新版のドライバ、ユーティリティを入れても改善しない場合は、さらに新しいドライバの発表を待つか、他の実績あるベンダーの製品に乗り換えるしかない。

・WinXpに内蔵されている無線LAN関係のドライバはWinXpの製品リリースに合わせてタイトな日程で収集されたものなので、完成度が低いケースがほとんど。その機器のメーカーや、WindowsUpdateで配布されているドライバがあれば、それを使うことを強く勧める。

・前出の通り、無線LAN内蔵PCにおいて、親機との接続がすぐ切れる場合には、そのPCメーカーが出す無線LANドライバのアップデートを待つか、実績のある他社の無線LAN機器に乗り換えるしかない。一般にPCメーカーのドライバリリースは、パーツメーカー(メルコやアイオーデータなど)より積極的ではないケースが多いので、他社に乗り換える必然性も高くなると思う。PC内蔵の無線LANを最初から安定して使おうと思ったら、親機もPCメーカーが推奨する親機を使用することをお勧めする。

・WinXp搭載のPCで無線LANの接続が安定しないケースでも、OSをWin98や2000にダウングレードするとあっさり繋がることが多い。

・PCカード型無線LANカードはしばしば壊れるいろいろ試してそれでも繋がらない、接続が安定しない場合、故障を疑う。私の手元ではNTT-MEのカードが2枚とも壊れて、1枚は保証期間内なので、無償交換してもらった。



■まとめ

・以上を読むと導入にあたって気が滅入るかも知れないが、私自身は無線LAN機器を大変気に入って使っている。家庭内と言えども、通信ケーブルから解放される自由は、想像以上の快適さがある。無線LANを一度経験すると、トラブルでもない限り、有線LANに戻るのは難しいだろう。


■その後の環境(2003年8月追記)

色々あって、環境がだいぶ入れ替わったため記載をアップデート。

親機:NTT-ME MN128SOHO Slotin + SS Lan Card 11 HQ(以前のカードは2枚とも謎の破損)
子機1:iMac FP 17(有線接続、無線LANではない)
子機2:I/O DATA WN-B11/PCM + LavieNX/(P2-333) + Win98
子機3:MELCO WLI-PCM-L11GP + LavieNX/(P2-333) + Win98
子機4:IBM ThinkPad X31(IEEE802.11bカード内蔵)+ WinXP Pro
※子機2と3は同一マシン。



■ノウハウ集(追記分)

・WEPには「オープンキー」と「共有キー」の2種類の方式がある。

・ThinkPad X31の内蔵無線LANは、「オープンキー」と「共有キー」を切り替えることができる。

・I/O DATA WN-B11/PCMとSS Lan Card 11 HQは「共有キー」しか使えないようだ。

・MELCO WLI-PCM-L11GPは、なぜかSS Lan Card 11 HQとWEPの互換性がない。


(2003年8月23日)

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