ThinkPad X31 リカバリ領域の保存&復旧




 
ThinkPad X31はDisk to Disk(D2D)リカバリー機能があり、HDDの一部区画(D2D領域)が隠しパーティションとなっており、いざというときにはその領域からのリカバリーが行える。そのため、リカバリーCD-ROMは別売りとなっている。

一方、HDD内のデータのバックアップを容易にするためのRRPC(Rapid Restore PC)機能も提供されてるが、RRPC機能や、市販のバックアップソフト(Norton Ghost)などを使っても、D2Dのバックアップはできない。X30以前ではNorton Ghostなどではバックアップできていたようだが、X31からできなくなったようだ。

Webを彷徨っていたところ、某2chのThinkPad X31スレに以下のような書き込みがあった。
(ありがとう!)


D2D復旧手段 X31リカバリCD無し編

とりあえずUSB-FDDは有った方が良い
問題になるのがfwbackup.exeとfwrestor.exeがNTFS上で動かないこと。

1.旧HDDからのD2Dイメージ取り出し
  • とにかくハードディスクにFAT32区画を確保(XPモデルなら4Gぐらい)
    PartitionMagic等の市販ツールを使うか、既存のOSを消して作るかする。
  • 再起動→Access IBMを押して、「Recover to factory contents」を選択して起動。(FDDで起動させない)
  • F3を押して終了させDOSプロンプトへ。
  • A:\recovery\の下にあるfwbackup.exeとfwrestor.exeをB:(USB-FDDドライブ)にコピー。
  • リセットして起動FDDで起動。
  • FAT32区画がCドライブに見えていれば、"fwbackup size=640 file=c:\imgset"を実行。
    IMGSET.001〜IMGSET.005が作成される。

2.旧HDDから新HDDへのイメージコピー
  • 元のOSが残っていれば、OS立ち上げてUSB-HDDケースにでもコピーすればOK。
    残ってなければ別マシンにHDDをつなげてコピーするぐらいしかできなさそうだが。

3.新HDDでのD2Dイメージ復元
  • 新しいHDDを付けて起動FDDで立ち上げ、"fwrestor c:\imgset"を実行。
    これが終了するとD2Dが復旧しているので、リセット後Access IBMが押せるようになっている
    「Recover to factory contents」を選択するとOSがリカバリされる。


なるほど。

これを俺の環境に当てはめて、実行してみた。
俺の環境とは:
・PartitionMagicは持っていない。
・純正USB2.0 HDD(RRPC機能付き)はある。
・USB接続でブート可能なFDドライブもある。
・外付けのCD-R/DVD-Rもある(なければなくてもいい)。


D2D復旧手段 X31リカバリCDもPartitionMagicも他のPCも無し編

1.準備
  • ThinkPadにRRPC for USBをインストールし、USB ブートFDを作成する。
  • 作成したブータブルFDのautoexec.bat(デフォルトでは非表示になっている)を開き、:execラベルの次の行にendを入れる。


  • <修正前><修正後>
    :exec
    @...
    @...
    :exec
    end
    @...
    @...


  • 純正USB2.0HDDのユーザが通常使用できる領域がもしNTFSだったらFAT32で再フォーマットする。
    中にプリインストールされているソフトは、フォーマット前にどこか別の場所(ThinkPad内のHDDとか)に待避し、フォーマット後書き戻す。

2.工場出荷時内蔵HDD(以下、旧HDD)からのD2Dイメージ取り出し
  • 再起動→Access IBMを押して、「Recover to factory contents」を選択して起動。(FDDで起動させない)
  • F3を押して終了させDOSプロンプトへ。
  • A:\recovery\の下にあるfwbackup.exeとfwrestor.exeを1で作成したFD(通常はB:のUSB-FDDドライブ)にコピー。
  • fdisk.exe、format.comもどこからか見つけてFDにコピーしておくと良い。
  • リセットして1で作成したFDで起動。
  • USB2.0 HDDのユーザが通常使用できる領域がD:に見えていれば、”fwbackup size=640 file=d:imgset”を実行。
    (キーボードがUS配列になっているので入力がちょっと辛い。また、この環境ではUSB2.0 HDD内のWinXPからは 見えない領域(RRPC用領域)も見えているので、誤ってそちらに作成しないよう注意。)
    IMGSET.001〜IMGSET.005が作成される。30分くらいかかる。
  • FDを抜いて再起動、WinXPからIMGSET.001〜005をCD-RまたはDVD-Rに焼き、保管しておく。
    1で作成したFDDも復元時に必要なので、保管。ここでWinXPからIMGSET.001〜005が見あたらない場合は、fwbackupコマンドで保管した場所が間違っているのでやり直し。

3.旧HDDから新HDDへのイメージコピー
  • 何らかの方法でIMGSET.001〜005を新HDDにコピー。WinXPが起動できるなら保管したCDからUSB2.0 HDDにコピーし、1で作成したFDDで起動し、ThinkPadに換装した新HDDにコピー。別の外付けUSB HDDケースがあるならそれを使ってあらかじめWinXPからコピーしても良い。

4.新HDDでのD2Dイメージ復元
  • 新しいHDDをThinkPadに換装し、1のFDで立ち上げ、"fwrestor c:\imgset"を実行。これが終了するとD2Dが復旧しているので、リセット後Access IBMが押せるようになっている。
    「Recover to factory contents」を選択するとOSがリカバリされる。


という具合である。試していないが、最近はUSB HDDやUSBメモリからのブートもできるようなので、それらを応用すればFDは不要ではないかと思う。

余談だが、WindowsXPでFDの起動ディスクを作成する場合、DOS窓から「sys a:」コマンドが使えず焦った古いユーザも多いのではないかと思う(俺もそう(汗))。 WindowsXPの場合、起動ディスクはA:ドライブのアイコンを右クリックしてフォーマット画面を出し、「MS-DOSの起動ディスクを作成する」のチェックボックスにて行う。

(2003年8月24日)

トップページに戻る



■このサイト内のThinkPad関連ページ

・ThinkPad X31 (2672-D9J)インプレッション
・ThinkPad X31 リカバリ領域の保存&復旧
・インナーケース 国立商店 ”In-Packed” with ThinkPad X31
・ThinkPad X31 拡張バッテリー
・ウルトラベースX3 with ThinkPad X31
・ハイテク・バックパック with ThinkPad X31
・USBトラベルキーボード
・FOMAでパソコン通信