さて、ご他聞に漏れずやってきました。VW/Audi名物、DSG(Sトロニック)トランスミッションの不具合です。いや、まだ実際に走行不能になった訳ではありませんが、イヤな感じの音と振動がします。症状は以下の通り:
(1)加速時、2速に入る際に、たまにドンという感じで繋がる場合がある。
(1年目、10,000kmくらいから現れ始め、4年目、50,000kmで頻度が増えた。)
(2)加速時、4速に入る際に、たまにコンマ数秒だけトルクが抜けたような感じになったり、あるいはドンという感じで繋がる場合がある。
(4年目、53,000kmあたりから気になり始めた。)
(3)加速時、5速に入った数秒後に「ガッチャン」と何か音がすることがある。
(4年目、53,000kmあたりから気になり始めた。)
こう書いていて気が付いたのですが、これって2/4/6速側のクラッチが何か起きてる臭いですかね。DSGというのはクラッチが2系統あって、それぞれ奇数段ギア、偶数段ギアを担当していて、加速の際には次に使うギアがスタンバイしていて、2つのクラッチを繋ぎ変えるだけで電光石火の速さでギアチェンジできるという仕組み。(3)だけ5速で何で?と思われるかもしれませんが、5速に入った後の話なので、すなわち6速のスタンバイをしているタイミングのはずです。
私が遭遇した症状につながるかどうか不明ですが、Audiは2019年9月にSトロニック変速機のリコールを出しています。リコールが出たのが令和元年(2019年)で、リコール対象車種はAudi A3の場合は平成25年(2013年)~平成27年(2015年)が対象で、私の平成28年(2016年)モデルは対象ではありません。しかしながら、この件がVW/Audi内部で判明したのが2018年末ごろと予想されるため、おそらく最終的には2018~2019年モデルくらいまではリコール対象になるのではないかと思います。
一度に判明している分の車両をすべてリコール発表してしまうとディーラーのサービス工場がパニックになったり交換部品の供給が間に合わなかったりしますので、メカの疲労が蓄積しているであろう古い車から順にリコール発表しているものと思われます。2020年5月には対象者が追加されましたが、対象期間が拡張されたわけではありませんでした。
このリコールで実際に部品交換を受けた方の感想を聞いてみますと、「変速が滑らかになった」という声が少なからずあることから、私の場合にも対象車となれば症状が改善するのではないかと淡い期待を抱いているのですが、リコール対象車に含まれるのが先か、壊れるのが先か、ドキドキしています。音や振動が多少する程度で走行に支障がなければいいのですが、走行に支障が出ると朝のラッシュ時に渋滞を引き起こしたり、高速道路では命の危険があったりと色々勘弁願いたい状況になります。
今の8V型A3を購入するときはもう少し調子が長持ちするかと思っていたのですが、やっぱりVW/Audiは「5年5万キロが健康寿命の目安」というセオリー通りでしたね。
5年目までの延長保証「Audi Carlife Plus」には加入しているので、その有効期限が切れる来年5月までに一度診てもらいますかね。果たしてこのまま音振はありつつも走り続けられるのか、あるいは余命宣告なのか。20万キロ近く走ってる個体も多々ありますし。
このDSGという方式のトランスミッションが発表されたとき、自動車評論家の三本和彦氏が「こういった技術が日本から出てこないのが口惜しい」と言っていましたが、幸か不幸か、開発元のフォルクスワーゲングループもご覧の通り、作っては見たもののモノにはできていないですね。
コメント