EOS R6 Mark II

今まで概ね4年だったモデルチェンジ周期を破って2年でモデルチェンジしたEOS R6 Mark II。それだけキヤノンはライバルの進化に対して危機感を持っていたということでしょう。だったらその危機感から出た成果を享受しようではありませんかと、R6 Mark IIに乗り換えました。あとはマップカメラの下取りがたった11万だったのに対して、メルカリの取引相場が20万(手数料引いても18万)だったから、というのもあります。

細かく差異も深く調べないで乗り換えましたが、いや実にいろんなところに手が入っています。それが必ずしもベストではないところが残念というか、キヤノンの設計者も人間だなと思わせるところなのですが、改善点は9割がた良い方向です。

まず画素数は2,000万画素から2,400万画素にアップ。これは縦横のピクセル数にするとそれぞれ10%のアップに過ぎませんが、生成される画像が6,000 x 4,000ピクセルというキリのいい数字なのは気持ちいいですね。昔使っていたSONY α6500もこのピクセル数(但しフォーマットはAPS-C)なのを思い出しました。闇雲に高画素を狙わなかったのは、最新DiGiCで「等倍ではない場合の見栄えはEOS 5D4 = 3,000万画素相当を超える画質を出せる」という自信と、高感度特性、連写性能のバランスをとった結果だろうと解釈しています。等倍表示すると必ずしもそんなに高精細という訳ではないのですが、実際に使うサイズでの見栄えがすごいんですよね。絵作りがとても上手いです。

外装を見てみます。電源スイッチは右手側に移動。多くの先行ユーザーから「電源スイッチを切るつもりで動画モードにしてしまう」(R6で電源スイッチだった場所が動画/静止画切替スイッチになっているため)という意見が多く聞かれましたが、私もまた然り。まるで国産車と輸入車を交互に乗る場合にワイパーを間違えるのと同じ現象が発生していました。慣れるのに1ヶ月くらいかかりました。また、電源スイッチと録画ボタンの間隔が狭いので、電源を操作する際に指が録画ボタンに触れてしまうのはイマイチです。

スティック状のマルチコントローラの形状変更は改善とは言えない部分。R6だと中央が押しにくいため形状変更したとのことですが、R6でも中央は別に押しにくくありませんでしたし、逆に指掛かりが悪くなってプチストレスです。ただ、心理的にストレスを感じてるだけで、実際に誤操作に繋がっているかというとそんなことはありません。

R6ではシャッターボタンに僅かな引っかかりがあったのですが、それは今回なく満足。久々に何の初期不良もないパーフェクトな個体のように思います。アクセサリーシューについては話題が多い部分。なので後ほど別記事で触れたいと思います。

電子ファインダーには光学ファインダー時代の見栄えを再現するというモードが搭載されたのですが、正直効果は微妙でした。意欲は買いますが、ファインダーの見栄えってコントラスト方向だけじゃないと思うんですよね。時間軸方向(遅延やフレームレート)も要素として大きいと思うのです。そもそも自発光デバイスで間接光を再現するってかなり無茶ですよ。

無線LANは待望の5GHzに対応。省電力化も進んでいるようで、あまりバッテリーが減らずにimage.canonにどんどん転送してくれます。R6では電源をオフオンしないと転送が始まりませんでしたが、Mark IIでは電源を一旦切らなくても転送が始まる場合があるようです。でも100%ではなく、何がトリガーになっているのかは分かりません。また、ホームルーターがない外出先でもホームルーターを積極的に探しに行ってしまうため、外出先ではスマホに1枚だけ転送したい、というときにスマホに繋げることができないことが多々あり、イラっとします。

撮影モードに「スペシャルシーン(SCN)」と「クリエイティブフィルター」を搭載。EOS入門機や同社のコンデジに搭載されている機能ですが、まさかR6 Mark IIの価格帯のカメラに搭載されるとは思いませんでした。でも楽しいので搭載されたこと自体は嬉しいです。ソニー対策ですかね。

M-fnボタンを押した際に表示されるメニューが新機軸。これは操作に慣れが必要ですが、慣れたら便利そうです。

ファームウエアは一眼レフのEOSの時代からの地続き感を大事にしているせいか、メニュー操作系で統一感が失われている箇所が散見されます。一例を挙げますと、[測距エリア選択モード]に入っている状態で、画面にずらりと選択可能な測距エリアが表示されるのですが、これがM-fnボタンでの順送りしかできなかったりします。マルチコントローラもメインダイヤルもサブダイヤルもフォーカスポイント移動に割り当たってしまっており、肝心の測距エリア選択に使えないのです。この操作系(メインダイヤルとサブダイヤルでカーソル移動)は完全に一眼レフEOS時代からの名残で、マルチコントローラ搭載機についてはそろそろ見直してもいいと思いますけどね。

 

被写体検出は鳥や動物や電車や車など様々なものに対応。試しに鳥を撮ってみましたが、いやぁこういうのは一眼レフ時代のEOSではなかなか撮れなかったものですね。但しこういうのを撮影するにはUSMモーターを搭載したレンズがおそらく必要で、また、強力なバッテリーを搭載してレンズを高速駆動できるEOS R3ならばさらに歩留まりは上がるだろうと思います。これらの鳥の写真は RF 24-105mm F/4L IS USM で撮りました。

被写体を自動選択にしていると背景に大きく動くものがあるとそちらに引っ張られてしまいますので、「動物優先」モードにすると良いかも知れません。

以前のキヤノンからすれば冒険していると感じる部分も多く、それが逆にプチストレスの原因になっていたりしますが、工業製品としてのトータルの完成度はやはり圧倒的。完成度が高すぎて逆に浮気したくなるカメラではないかと思いますが、しばらくはこのMark IIを使い込みたいと思います。4年くらいはモデルチェンジしないで貰えるとありがたいです。

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