「Headphone Connect」、ソニー製ヘッドホンをコントロールするスマホアプリですが、「ソニーはハードウエアは優秀なのに要所要所のソフトウエアがダメ」というジンクスが適用されてしまっています。
ヘッドホンの初回接続時、現在ヘッドホンにインストールされているソフトウエアのバージョンより、アプリに溜まっていた通知が優先されます。つまり、ソフトウエアアップデートが行われる前に購入して接続していた場合はいいんですが、ソフトウエアアップデートが行われ、かつ、ソニーの製造ラインでも最新バージョンのソフトウエアが書き込まれた新しい個体を購入した場合でも、初回接続時に「ソフトウエアアップデートがあります」という通知が出てしまうのです。しかもアプリ内では「通知が出たバーション」を調べる手段がありません。
そしてそんなことなど些細に思えるくらいまずいと思うのが、最近のバージョンアップで装備された「バッジ」機能です。
「バッジ」機能といえばApple Watchに実装されているものを連想される方は多いかと思いますが、あれは所定の運動などを行った場合にバッジが得られるものです。Apple WatchとかiPhoneを使ったかどうかではなく、運動したかどうかを評価しているわけです。
しかしソニーのHeadphone Connectでは、単純に「ヘッドホンをいかに多くの場所で使ったか」「ヘッドホンのすべての機能をいかに使ったか」で評価されます。この機能の何がまずいかって、ソニーはヘッドホンを「必要悪」だと全く考えていない形跡が感じられることです。
これをiPhone/Apple Watchに置き換えれば、「画面を眺めている時間が長いほどバッジが得られる」「どこでもかしこでもiPhoneを使うほどバッジが得られる」となり、Appleはそんなこと絶対やりません。むしろ「スクリーンタイム」で「いかに使い過ぎているか」を啓蒙するくらいです。Appleは自社機器の使い過ぎをしないよう留意していますが、ソニーの実装はヘッドホンの使い過ぎを推奨するものです。この思想は180°違うのが伝わりますでしょうか。
どうもソニーは「バッジ機能を実装したい」ということが目的化してしまって、他製品の表面だけ模倣してしまい、「そのバッジを報酬にしてユーザーに何をさせたいのか」という考えに思いが至っていないようです。Apple Watchのバッジはユーザーの健康増進が目的ですが、Headphopne Connectのバッジは極論すればユーザーの健康を害することが目的になっています。
これが幾多の社内レビューを通過して世に出てきてしまったのか、あるいはろくなレビューを受けずに出てきてしまったのかは分かりませんが、もうちょっと思慮していただきたいところです。
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