現代的な共感を呼ぶ思春期の感情を
不可思議な現象によって描き出した青春ドラマ
「青春ブタ野郎」シリーズがついに完結――。
高校生編・大学生編とシリーズを通じて描かれてきた
”思春期症候群”に残された謎がついに解き明かされる
2018年にテレビ放映が始まり、2026年までテレビ2期、映画3本が製作された「青春ブタ野郎」シリーズが10月公開の映画4作目「青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない」で完結しました。私は2018年は仕事でしんどかった時で、あまりアニメを追いかけられていなかったのでこの作品は「いつか見よう」リストに入れていたのですが、作中にも登場する「テラスモール湘南」の 109シネマズ湘南で上映されているうちに見ておかないといけないような気がして、慌てて過去作を履修して劇場に足を運びました。
ちなみに109シネマズ湘南だけの特別イベントとして、
【109シネマズ湘南 開館15周年記念】11月11日(水)劇場アニメ「青春ブタ野郎」シリーズ 全4作品一挙上映 開催決定!
というのもやるそうです。5,600円で6時間の上映(途中25分の休憩あり)すでにチケット予約は始まっていて、席も結構埋まっているようです。

さすが聖地、封切り三週間ん経ってもこの力の入れよう。

声優のビデオ挨拶

声優サイン入りポスター
本作は見る前と見た後の印象が結構違って、見る前は「ちょっとエッチな美少女ハーレムアニメ」という印象だったのですが、いざ中身を知ってしまうと「これ、NHKで放送してもいいんじゃないか?」という気がしてくるものでした。「ブタ」とか「バニーガール」(テレビ1期のタイトル)に反応する前に、「夢を見ない」が SFの金字塔「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」をもじったものであることに気がつくかどうかですね。

入場後の通路にもパネル展示コーナーが。
主人公の高校生・梓川咲太(あずさがわ さくた)は、周囲の人間から姿が見えなくなった国民的女優・桜島麻衣と出会い、恋仲になります。時間のループ、人格の入れ替わり、もう一人の自分の出現など、様々な超常現象に遭遇しますが、その超常現象は、他人からの評価、承認欲求、劣等感、家族関係といった現実的な問題に起因するものでした。咲太は「思春期症候群」と呼ばれるこれらの現象に巻き込まれた周囲の少女たちの悩みに向き合いながら、時には自分自身も傷つき、問題の解決を模索していくーーというストーリーです。どうです?全然イメージ違いますよね。ただこれだけだと重くなってしまうので、咲太と少女たちとの恋愛を交えた軽妙な会話劇が本作の雰囲気づくりに一役買っていると思います。
今回公開された完結編の映画では、咲太の初恋の女性・牧之原翔子と同姓同名の謎の幼女が心臓移植を受けて命を繋いだものの、その心臓は誰から提供されたものかという謎、そしてネットでバズっている謎のシンガー「霧島透子」の正体とそのドナーとの関係が明らかにされます。

キービジュアルのこの美東美織のステージシーンはもうネタバレもいいところなのですが、ネタバレしてるとわかっていても、1回めの号泣シーンでしたね、ここは。
ちなみに霧島透子のリアルボーカルはアニソンシンガーの「花たん」が担当しています。
霧島透子公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@Toukokirishima
霧島透子の正体が明かされた後、咲太が観測している数々の超常現象は実は咲太自身に原因があったことに気づき、咲太はケリをつけようとします。それは痛みを伴うものでした。
そして2年後、教員免許取得のための教育実習で母校を訪れた咲太は、姿の見えない誰かと口論している女子生徒を見つけます。以前咲太が学校の先生に「思春期症候群」が理解してもらえずに問題を拗らせた経験から、咲太はその生徒に理解を示し助け舟を出します。ここが2回めの号泣シーンですね。
「思春期症候群」というSF的な仕掛けを使ってはいるものの、その中身はいじめ、孤立、承認欲求、自己肯定感、家族との関係、他人の期待に応えようとする苦しさなど、若者が直面する問題です。本作はそうした問題に対して、分かりやすい正解や教訓を押し付けず、たとえば「空気を読む」ことが必ずしも正しいわけではないし、誰かを救おうとすると別の誰かを傷つけることもある……そうした矛盾に向き合う姿を描いています。どうでしょう?いかにもNHKが放っておかない作品だと思いませんか? たぶんやりますね。数年後に、NHKで一挙放映。
声優ネタで言うと、ボソボソ喋るサイエンティストの双葉理央は東山奈央さん(キュアアルカナ)かと思ったら種崎敦美さん(フリーレン)でした。確かにフリーレンでした。東山奈央さんは古賀朋絵役でボソボソ喋る役ではありませんでした。そして高飛車な女・岩見沢寧々は上田麗奈さんです。ギギ・アンダルシアです。そのものです。あとは空気の読めない売れないアイドルの広川卯月役に雨宮天さんとか、同じく売れないアイドルの豊浜のどか役に内田真礼さんとか、とにかく片っ端からなんの違和感も感じられない高水準のキャスティングで感心しました。
上映終了前後に聖地の一部を回ってきました。

テレビ2期の最終回で桜島麻衣が1日警察署長のイベントを行なった場所です。テラスモール湘南の屋外にあります。

牧之原翔子が霧島透子の曲「Turn The World Upside Down」の歌詞を砂浜に書き、美東美織がそこに隠された真の意味を知り泣き崩れるシーンの場所です。七里ヶ浜駐車場(江ノ島側)です。道路の向かいは私が早朝ドライブで多用するセブンイレブン。

高校編の舞台となった七里ヶ浜高校と、豪華版パンフレット。

なぜこの場所が舞台に選ばれたか。それは作者の憧れなんだそうです。
藤沢と横浜が舞台の本作ですが、うわー湘南台まで出たーと思ったら、さらにはうちの徒歩圏内の場所も出てきた時は思わず目を剥いてしまいましたね。私が知ってるアニメで最も家から近い場所が作画された作品だと思います。それと、細かいところにケチをつけるなら、車で横浜新道から横浜アリーナに向かうのに、みなとみらい地区を通過するのはめっちゃ遠回りで不自然だと思います(笑。
「聖地で上映しているから」という単純な理由で観ることになった本作ですが、さすが人気作だけのことはあると思いました。なお客層は主人公、梓川咲太くらいの年の男子が多く、実はうちの息子も歳が近くてかつ教育実習に行くところなんかも同じなのですが、関心はあるようで、家のテレビで青ブタの過去作を履修していたら秒で「映画見に行くの!?」と見抜かれました。

コメント