iPhone 5のLightning端子、ご存じの通り私の性格のように表裏がない(←マテ)訳だが、その後情報が出るにつれ「単純な表裏対象のピン配置ではないらしい」「認証チップがコネクタに埋め込まれているらしい」という話が出て、ついに「ピン配置が動的に変化するらしい」という民生用としては前代未聞の解析結果まで出てきた。
その辺の解析を行ったのは Double Helix Cables 社という交換ケーブルの専門メーカーで、同社から Apple Insider に提供された情報が公開されている。
(C)AppleInsider / Double Helix Cables
公開された図から読み取れることは以下の通り:
(1)USB側のV+のラインは、Lightning端子上では動的に割り当てられるらしい。
(2)V-のラインについては固定されている可能性が高い。
(top 1とbottom 8が繋がっているので、動的割り当ての必要がない)
(3)USB側のD+とD-は Lightning側の top2 – bottom2, top3 – bottom3 に固定なのかどうかは不明。向きによっては top7 – bottom7, top6 – bottom6 に割り当てられないか?
単純な表裏対称配列にしなかったのは、Lightning受け側の上下ピン同士の接触を嫌ったのかな?と一瞬考えたのだが、Lightningコネクタの先端が金属であり、差し込まれた瞬間は受け側の全ピンがショートする構造なのでそれはないな、と。(この差し込まれた瞬間に受け側の全ピンがショートする構造も斬新だと思う。)
USBは差し込まれた瞬間の電気的安定性を確保するため、V+, V- ピンが D+, D- ピンに対して少し先に接触する構造になっているが、それでチャタリングが完全に吸収できるの?と言われれば疑問だし、実際「USBを差し込み直したら治った」という謎現象の原因の何割かは、接続した瞬間の電気的安定性だと私は思っている。やはりLightningのように接続されたことを認識してからピンをイネーブルにするのが王道だとは思うけれど、USBに関しては低コストであらゆるメーカーに広くあまねく使ってもらうのが主目的だったので、そんな高コストで複雑な仕組みは導入できない。
Apple 1社で今後数億本の単位で出荷されるであろうLightningケーブルだからこそできたコストのかかった構造だし、当然ソニーと同じようにペリフェラルからもしっかり収益を上げていこうということなのかなと。
以下、妄想ですが、
主目的としてはサードパーティの排除的意味合いと言うよりは、ケーブルのクオリティコントロールがしたかったのかなと。これがmicroUSBケーブルだったらどんな低水準のケーブルが接続されるか分からず、数億台レベルの機器が世界中で稼働する状況下では毎日のように世界の何処かで火災が起きるだろう。そして1件の火災がネットにより大きく報道されブランドがダメージを受ける。そういうのを嫌ったのかなぁと。火災ごとに裁判に出頭して自社製品側に非がないことを証明するのを、一体毎日何件こなさなければならないのか。そんなの勘弁して欲しいと。
とかね。
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コメント
Thunderboltのケーブルは両端にチップが入ったアクティブケーブルですね。
このチップには小容量ながらファームが入るとインテルのエンジニアに聞きました。
純正と住友電工製の2社しか出していません。
特殊チップでサードパーティは入ってこれませんね。
Lighitningも使い勝手と通信品質確保を主目的としながら、
実効的なサードパーティ対策ができますね。
さすがです。
USBケーブルが原因の火災発生例ってあるのでしょうか。
なんだか、もうハッキングされちゃったようです。
ThunderBoltと違って、出る数がケタ違いなので、
互換チップ作ったら儲かりますよね。
えっもうハッキング済み!?(笑
でもiOS側のアップデートでブロックとか可能そうじゃないですか?
ケーブルの認証方法が不明なので何とも言えませんが、
ケーブル内蔵の認証チップとの通信内容が固定で、
それを互換チップで再現できていたら、
純正か否かはiPhone側では分からないと思います。
もし、純正の認証チップにファーム書き換え領域があって、
iOSのアップデートの際にそこを書き換えてしまえば、
互換ケーブルは使えなくなりますね。
互換チップベンダーが、純正チップのパッケージを溶かし、
ベアチップを解析してそれらしき領域がないことを確認して
安心して作っているかもしれません。
全て想像ですが・・・。