富野監督が書いた「映像の原則」という本がtwitterで目に付いたので読んでみました。音楽の世界に楽譜の読み書きがあるように、映像の世界にも原則があるという本です。
「あーなるほど」と思わせる原則論から、現場レベルのノウハウ、そしてときに愚痴まで、純粋な映像表現者としての富野監督の思考が垣間見られました。ガンダムのガの字も出てこないとは言いませんが、自分の作品についてはほとんど触れられていません。
本書の内容はホームビデオにはまず不要。なぜならば、ホームビデオの視聴者は映像の事情を知っている人たちばかりだから。だけど、不特定多数に映像を見せるなら、そして意図を伝えたいのなら、本書にあるような表現手法はどうしても必要。
にしても、映像の方法論がここまで多岐に渡っているというのは驚きです。とても覚えきれませんが、体に染みつくように覚えるものなのかも知れません。
サイカ先生は大学でこういったことを教えているのでしょうか。映像の学校に入りたかった、というかつての映像ディレクター志願者に、こういうことを習うはずだったという世界を垣間見せてくれるという意味でも意義深い本です。
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映像の原則 改訂版 富野由悠季 (著) (Amazon)
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