Manfrotto ONE

Manfrotto の高級路線への脱皮を目指す三脚、Manfrotto ONE が発表されました。マットな質感の平べったい断面を持つ脚というと Peak Design の Travel Tripod を連想しますが、こちらは Travel 用途ではなくそこそこの大きさがあります。

設計コンセプトとしては、写真も動画もこれ1本で、スピーディにセッティング、というところを目指しているようです。そのため、脚の伸縮固定レバーは3段の脚に対して1箇所リリースすれば3段が伸縮可能になっています。また、開脚角度をプリセットするレバーも装備されています。

そして一番目を惹くと言いますか、今までどんな三脚でも見たことがないようなギミックが、XCHANGEシステムと呼ばれる雲台と三脚の間のジョイントシステム。確かに雲台を外して運搬する場合、現場で雲台を三脚に固定するのはなかなかの手間。そこをワンタッチで取り付けられるようにした仕組みのようです。

一方で、キット雲台として設定されているのが、500Xフルードヘッド。これも動画でも静止画でもオールマイティに使えそうないい感じの雲台です。ビデオ雲台ライクなのに縦位置撮影もできますしね。このフルードヘッドが1つあれば、大抵の撮影はこなせるでしょう。

となると、XCHANGEシステムって何のため?という話になるわけです。万能な 500Xフルードヘッドが用意されているのであれば、よほどの用途でもない限り用途に合わせて雲台を取っ替え引っ替えする必要がないわけです。つまりXCHANGEシステムは多くのユーザーにとっては事実上、現場でセッティングを迅速にするためのもの捉えるのが正解なのでしょう。脚の3段を一気に伸縮できるレバーとも設計思想が合致します。

XCHANGEクイックリリースシステムは単品売りもしていますので、今使っているたいていの三脚もXCHANGEシステム対応にできます。この考え方、何かに似てるな…と思ったんですが、レンズのマウントアダプタですね。ミラー付きカメラのレンズをミラーレスカメラにも付けられるようにするやつ。着くには着くんですが、無駄に重心が上がってしまったり、力学面や耐久性でハンデを負うというデメリットがありますので、結局はネイティブ製品(XCHANGE対応品)を買ってね、あるいは、ネイティブ製品が欲しくなってしまうのは確かだと思います。

自分は Manfrotto 製品に時々惹かれるのですが、GITZO があれば Manfrotto が欲しくなくなるというのは本当で、ましてや価格がほとんど GITZO という Manfrotto であればますます GITZO でいいや、という気持ちにもなります。しかし GITZO は最近技術の進化が停滞しているのも事実で、このままブランドが滅ぶんじゃないの?という心許なさもあります。Manfrotto のファイティングポーズが羨ましくもあります。

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