本作は2023年にWebで公開された漫画(島編)の映画化です。当初息子を除いた家族3人で見に行く予定だったのですが、息子を一人置いていくのかわいそうな気がして、私がチケット代出すからということで無理やり連れて行きました。家族4人で同じ上映枠で見るのはいつぶりか、もしかすると初めてかも知れません。
息子はちいかわは未見で、そもそもどんなキャラのどんな話かも知らないのですが、能動的に観に行ったわけではないので、特に感想もなかったようです。やっぱり連れて行かなくても良かったかも知れません。

さすがにこういうキャラの映画ですから、IMAXは過剰品質だろうと思いIMAXではない上映会のレイトショーをとったのですが、結果的にはIMAXでも価値があるだろうと思いました。特にセイレーンが出てきた時の凄みと撲殺シーンは IMAXはすげぇんだろうなぁと容易に想像できます。それとセイレーン役のCVは鈴木みのりさん。マクロスΔの歌姫フレイア役です。「歌で戦局を操る」ということでは共通点があり、マクロスΔでのアイドルっぽい歌い方を超え、恐怖さえ感じる鈴木みのりさんの歌声を聞くためだけでも IMAX を選んでも良かったかも知れません。
老若男女で観られる映画なので、興行収入も「鬼滅の刃」や「名探偵コナン」に近しい水準なのだとか。ただ、鬼滅の刃とは画面の情報量が桁違いに少なく、それでいてこのヒットというのは、情報量の少なさが生む余白が立派な商品になるということの証明でしょう。
私が原作で見落としていたと気がついたのは、セイレーンが辛いカレーを食べさせられた後の「わかった!わかった!」の意味ですね。あれは辛いカレーによる攻撃に対しての降参のセリフではなく、「犯人がわかった」という意味なんですね。原作を改めて見たら確かにそう見える描写になっていました。
すごいセンスで引き算の描写が行われている作品なので、この作品をどれだけ楽しめるかは能動的に想像で余白をどれだけ埋められるかにかかっていると思います。上映前予告で見た「スパイダーマン」のように観ているだけで情報がバンバン入ってきて楽しい、というタイプではありません。ちいかわは「労働」や「資格試験」や「日々の小さな楽しみ」、「人生では避けられない感情のさざなみ」など小市民視点の設定になっていますが、それゆえ作品の余白に思いを馳せることが容易で、胸がキュッとなります。
上映時間は99分。なお中国語圏では「99」は「永遠」や「末長くお幸せに」という意味があるそうです。島を離れたあの二人のこれからの「永遠」を考えると、果たして幸せなのだろうか…と思わせるところも「ちいかわ」っぽいなと思います。

コメント