Canon iVIS HF10にする? HF100にする? - ライトユーザにHF10をお勧めしない理由

3月頃に仕切り値を下げてからトップセールス爆進中たとも聞くHF10/HF100だが、売れているのは圧倒的に16GB内蔵メモリのHF10の方のようだ。なお、HF10とHF100は16GB内蔵メモリの有無と本体色以外に違いはなく、店頭での価格差は10,000円ほどのようである。

でも個人的にはHF10は勧めない。ライトユーザであるほど勧めない。

ライトユーザはHF10を買ったら、内蔵メモリに撮りまくるだろう。そしてバックアップもとらず、何年も使い続けるだろう。やがてカメラが壊れてから気がつくのだ。さんざん撮った想い出を吸い上げることができないことに。

修理時には「データの保証はしません」というのがメーカーの基本的スタンスだろう。販売店によっては修理受付時にその点について同意書にサインを求めるところもあるようだ。しかし実際のところ、壊れたのがレンズとか、液晶とか、そんなところだったら修理に出しても内蔵メモリに撮影されたデータはそのままで戻ってくるだろう。でも基板がやられたら絶望的だ。現在のビデオカメラの基板は修理センタで部品を載せ替えられるようなシロモノではない。基板の修理イコールほぼ基板交換と思って間違いない。

だから否が応でもSDカードにしか撮影できないHF100がお勧めなのだ。故障しても、SDカードまで壊れる確率は、基板が壊れる確率よりかなり低いはず。カメラが壊れたら、SDカードを抜けばいい。サンディスクなどの軽い防水性能を持つSDカードを使えばなお安心だろう。

確かに実売価格で+10,000円で16GBが載ってくるHF10はお買い得に見えるだろう。しかしどうしてもHF10を買うのであれば、内蔵の16GBはあてにせず、あくまでSDカードを忘れたとか、SDカード側が故障したときのバックアップとして使用すべきである。そのバックアップ用途に+10,000円を払えるのであれば、HF10を買ってもいいだろう。

個人的には内蔵メモリや内蔵HDDに撮影するビデオカメラなんて、怖くてとても使う気になれない。ビデオカメラで撮影するのは、再放送するかも知れない番組でもなければ、DVDボックスで市販されている番組でもない。その瞬間に出会った貴重な思い出である。内蔵の記憶容量が大きいほど大量の想い出を貯め込むことができ、そして壊れたときの被害が甚大になる。

携帯機器にHDDやメモリを内蔵するのはiPodで実績がある…という理論を展開する方もいるが、それは大事な視点が抜けている。iPodとビデオカメラでは、どちらでデータを生成するのかがまったく逆なのである。持ち出したiPodとビデオカメラが壊れた場合、iPodは新しいのを買ってまたPCから転送すればいい。でもビデオカメラではそうはいかない。

だからライトユーザにはHF100をお勧めするのだ。

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