物議を醸していますね。
そもそも、なぜこのような製品が生まれるに至った理由については、Phile webに記述があった。
Phile webより;
確かに、内蔵メモリーからの音とSDカードスロットからの音に差があるのは気分のいいものではない。ただ、その差異を放置しておくというのも趣味の製品としてそれはそれで面白かったかも知れない。とはいえそんな悠長な空気を許す余裕などない社会のこと、SDカードスロットは音が悪いという評判が一人歩きするのは不本意だろう。
SDカードが発生するノイズで音質が左右されるなんて、ウオークマンってどれだけ脆弱なんだ、という意見がある。その気になれば光カップリングを使ったり電源を2重化するなどしてノイズの影響をシャットすることは可能かも知れないが、据置型機器ならまだしも、限られた電池で何十時間も駆動させる用途の製品としてはいささかバランスを欠いてしまうように思う。
実際に経験した方のご意見。PC Watchより:
なるほどねぇ。そういう感じですか。
今回のmicroSDカードは品質が安定しているという点もポイント。従来のmicroSDカードがロットによって音質が変わってしまう可能性があったのに対して、その可能性を排除したという点では悪い話ではないと思う。その代償として、部品構成が変わってしまう=音が変わってしまうので容量違いの製品が作れないというソニーの主張も筋が通っていると感じられる。
今回公開された波形。今回のSDカードのノイズの低さを示す図である。但し縦軸の値が書かれていないので、実際どの程度の絶対値があるものなのかは分からない。また「輻射」とあるので、信号線から伝搬するものと言うよりは、空中を飛んでくる方のノイズのことを言っているのかも知れない。
これは27年前のカセットデッキのカタログ。
ここでも、「スーパーバイアス」という、テープの録再につかうバイアス電流の周波数を2倍にすることで歪率を下げる技術の効果が波形で示されている。歪率なのでノイズとは違うが、新旧2つの波形が関心のない人から見れば大差ないように見えるという点では同じだ。オーディオの世界で少しでも理想の音に到達したいという願いは、昔からこういう本当に微妙な波形の差にすがって来たのは事実だ。
ネットで散々揶揄されている本製品だが、カルトと一言で片付けられないほど技術的なバックボーンはしっかりしているように見受けられた。ただ、ある意味クレイジーさの片鱗はある。趣味の製品とは多かれ少なかれそういうものだ。もっと自分が価値を感じられる製品の開発にリソースを割いて貰いたい、こんな製品をソニーが手がけるかという期待の裏返し的な失望もあろう。
ハイレゾ対応製品がNHKの夜7時のニュースで経済の牽引役として取り上げられてしまうような注目度の中でリリースされてしまったことがこの製品の不幸である。違いが感じられる人、そしてその違いに18,500円の対価を見いだせる人にこっそりリリースされるのが、あるべき姿のように思う。
コメント
あの頃が懐かしいです。<ES・3HEAD
スーパーバイアス、あったなぁ~そんなの。
そう言われてみれば…
なるほど、考えを改めた方が良さそうです。<高音質SD
なんか今でもネタ扱いされてますけどね、高音質SDカード。あんなに大々的に売りに出さなければ…。