現行型の4代目プリウス(ZVW5#)に乗せて貰う機会がありました。運転はできなかったのですが、高速道路含めてかなり長距離を乗ったので、感想を記しておきたいと思います。
駐車場に現れたその黄緑色のプリウスは、「サーモテクトライムグリーン」という、燃費スペシャルのためのカラー。太陽からの輻射熱を反射することでエアコンの稼働率を減らし、燃費に貢献するという色です。
歴代プリウスはすべてレンタカーで体験済みですが、TNGAプラットフォームのプリウスというのは初めて。高速道を走ってみると、確かにこれは重心が低い。そしてボディのしっかり感が助手席に座っていても分かります。室内の広さも申し分なし。センターコンソール付近の陶器(洗面台)のような白色パーツ類は、たまたま下位グレードの車種だったためかそれほど使用面積が広くなく、かえって好印象でした。静粛性(遮音性)も充分。ああ、快適な移動手段としてのクルマってこれで充分だね…という気持ちになります。
燃費は購入時からのトータル平均で27km/L程度とのこと。
レーダークルーズコントロールはかなり自然で、高速道路では加速G、減速Gともほとんど感じさせません。Gを感じる寸前の加速度で加速減速を済ませている感じですね。これはドライバーや同乗者に不安を抱かせないことを第一に考えたセッティングで、レーダークルーズと言えどもきびきび動く(ウチの車とかそう)ことを望んでいるユーザー層とは相容れないと思いました。私はこれはこれですごい技術だと思いましたが…。
さてここまでべた褒めですが、欠点はなかったかというと、あります。ただ、これがプリウスの味なのかも知れません。
TNGAによって高められたボディ剛性。そして重心の低さ。それはいいのですが、肝心のタイヤが路面に接地している感覚が希薄なんです。自分の五感の延長としてのタイヤ…という感覚がまるでありません。本当に10円玉くらいの面積で接地してるんじゃないの?というつま先立ち感があります。これが低重心・高剛性ボディとの組み合わせで、車体が低く、地面を這うように走るのに、接地している感覚が希薄…という、とても未来感のある?不思議な乗り物です。
従来のプリウスもことタイヤの接地感についてはいずれも希薄で家電的でしたが、今回のはなまじボディが強固で低重心になっただけに、不思議な乗り味が際立っているように感じました。
顔がアレだとか、いろいろ不満はあるかと思いますが、350万円で買えるエコカーとしては、やはりすごい完成度だなぁと感じました。よく分からないけどエコでいいクルマ、となったらこれを買っておけば間違いない感じですね。
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