機動戦士ガンダム 第08MS小隊

これも未見だったので観てみました(本当の最終話と言われている「ラスト・リゾート」まで観ました)。一年戦争末期のとある小隊の地味な地上戦を描いた物語で、制作は1996~1999年。ガンダムシリーズの中ではミリタリー色が強く、このテイストはガンダムのデザインを含めて「復讐のレクイエム」に引き継がれていると思います。とはいえガチガチに考証されたミリタリーという訳でもなく、モビルスーツを軸に据えてミリタリー感を出した、嘘とリアルのギリギリのところをついています。一番有名なシーンは「ビームサーベルで温泉を沸かす」でしょうか。

 

富野監督は関わっておらず、「バイファム」「ガラット」「ドラグナー」の神田武幸監督が担当、しかし制作半ばにして52歳にて急逝、本作が遺作になってしまったという作品です。

「不殺」とか「分かりあえる」という路線は、このあと「SEED」「00(ダブルオー)」「水星の魔女」あたりまで続きますが、一方で富野ガンダムの方は「Vガンダム」「ターンエー」「Gのレコンギスタ」など、不殺とは別次元の、人や群像、社会のあり様を描いているのが興味深いです。いまSEEDや水性の魔女が主流になり、来年のGQuuuuuuXも模擬戦であることを考えると、もはやこの不殺路線がガンダムのメイン路線になった、すなわち、富野ガンダムは主流から外れたように感じられます。そういう意味で、80年代の富野テイストを引きずって今頃映像化してしまった「閃光のハサウェイ」の続編がなかなか公開されないのは公開タイミングを見計らってるから、と噂されているのは符合する気がします。タイミングと公開方法をよく考えないと、ガンダムというIPを何のシンボルにするのかという軸がブレてしまいかねないですからね。

さて本作に話を戻すと、概ねとても面白く見られたのですが、ちょっと主人公のキャラクターデザインが幼すぎると感じたことと、ヒロインが垂れ目すぎて髪ボサボサすぎ、というところだけが気になりました。主人公とヒロインのビジュアルがイマイチに感じてしまうのは、そのほかが良いだけに惜しいですね。全編見れば印象が変わるかなと思いましたが変わりませんでした。

劇場版「ミラーズ・リポート」は観るかどうか悩んでいます。単なる総集編ではなく本編を見ていないと分からない、と聞いたので、ちょっと興味はあります。

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