2人目の子供が生まれる(このインプレ書いている間に生まれた)ので、某三菱の1.3Lカーから、もう少し大きなクルマへの買い換えを検討。子供2人だと荷物も満足に詰めないってのもあるけれど、なんと言ってもまじめ・まじめ・まじめな作りゆえか、運転していてつまらない。
しかしいくら4人乗車で荷物が積めるからと言っても、アコードワゴンやステージアクラスだと、街では取り回しに窮する場面も多い。一家に一台しか車を持てない住環境では、妻がスーパーの立体駐車場で立ち往生しない適度なサイズが望ましい。
するともう少し小さなフォレスターやアクセラあたりが使いやすそうだが、いずれもいい車だとは思うが…なんだろう、俺の琴線に触れない。
いい歳こいたおっさんが乗っても似合って、妻にとっても取り回しがよい。安全性能が高く、高速道路では疲れ知らず。ベビーカーを積んでも荷室にはまだ余裕があり、スタイリッシュ。できればメジャーな車ではなく…と条件を並べてゆくと、海外のいわゆるCセグメントクラスが気になってくる。
難点は価格だ。いわゆるコンパクトクラスのサイズなのに、レガシイやアコードワゴンの、しかも上級グレードが買えてしまう価格が納得できるかどうか。この1点に尽きる。海外CセグメントがVWゴルフ以外あまり走っていないのも、ひとえに価格のせいだと思う。
このクラスにはBMW 1シリーズを始め、VW ゴルフ、Audi A3 Sportback(SB)などがあるが、ゴルフは公道で見かけすぎるのでパスするとして、BMW 1シリーズかAudi A3 SBかと言うと、俺の場合はAudiだ。BMW 1シリーズがどんなシーンでも非日常的であるのに対して–それはそれで魅力ではあるのだが–A3 SBシリーズは実用車的。後席も荷物室も1シリーズより実用的だ。
しかし実用一辺倒ではなく、そこはかとなく華やかな雰囲気があるのがいい。同社のスポーツカーAudi TTをモチーフにした内装、クラシックカーのような大口を開けたシングルフレームグリル、端正ながらチョイ悪な目つき、立体的な造形のテールエンド。
さらに実車を見て、試乗して、装備を丹念に調べてゆくと、決して高い物ではないことがわかる。なにもかも剛性感の高い作り、鉄板の厚さ、全グレードに6速ATまたはDSG(Direct Shift Gearbox)と呼ばれる特殊ミッション、6エアバックや横滑り防止装置、アクティブヘッドレストが標準装備される。グレード間で安全装備に差がないというメーカーの姿勢が気に入った。さらに緊急サービスや3年分の無料定期点検(Audi Freeway Plan)も付いてくる。
昔、Audi TTに憧れていた時期があったこともA3 SBに傾かせた理由の1つ。とはいえいかんせん、TTは2人乗りだし、子育て世代には不向き。価格もレクサスに手が届くようなものだし、あくまで憧れの対象でしかなかった。
しかしA3 SBなら、そこはかとなくTTの香りがするデザインと高品質、5人乗車と荷物室、それでいてTTよりグッと安く、手が届く価格帯。かなりA3 SBに傾いてきた。
また、ディーラーも重要な要素。クルマがいくら良くても、ディーラーが信頼できない雰囲気だったら、その車を買うのは躊躇すると思う。
今までつきあっていたホンダクリオ店の対応が素晴らしく良かったので、あれを超えるディーラーはないだろうと思っていたが、最寄りのヤナセ系列のAudi店は、以前のクリオ店とは別の尺度で良かった。
具体的にはディーラーの従業員の多くに教育が行き届いており、相応の品格と知識があったこと、客とある程度距離を置いて接してくれること、ショウルームが明るく清潔であること、このあたりが俺が求めるディーラー像に近かった。
また、子供に対する接し方も日本車のディーラーと違い、滑り台などが置いてあるプレイスペースなどはなく、子供連れで来店すれば絵本か塗り絵セットを貸してくれる程度だ。少し新鮮だったが、基本的にクルマ屋なのだから、これで充分だと思う。
そして半年悩んだ末、契約書にハンコを押す決意をした。グレードは2.0 FSI、色はモーリシャスブルー・パールエフェクトである。
1つ上の2.0 TFSIグレードと悩んだが、ウリであるDSG自体が新しい技術であり、可能性を感じるもののまだまだ発展途上に感じたのと、50万円の価格差が納得できなかったのが、2.0 FSIにした理由。1つ下のAttractionグレードになると、肘掛けやフォグライト、自動防眩ミラーなど色々装備も削られてくるため、逆に価格差の割には装備が減りすぎの印象があった。
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