Sony α1 + XPERIA PRO

Sonyがまだ出てもいないEOS R1を、同じ「1ナンバー」で本気で潰しにかかるカメラを出したことが話題です。キャッチコピーも「THE ONE」(絶対者)と挑戦的。まるで「1とは、これを指す」とでも言いたげです。ですがこのカメラというかソニーのソリューションの真にヤバいところは、XPERIA PROにあると思います。

今まで単体のカメラはスマホに取って代わられるのに対抗すべく、スマホにコンデジのカメラを取り付けたもの(LUMIX CM1)や、カメラ筐体にスマホに似た中身を入れたもの(Zeiss ZX1)がありましたが、いずれも主流になった/なれる気配がありません。カメラとしてもスマホとしても中途半端なのが原因ですが、だったら無理に融合せず本気のカメラ+本気のスマホで素敵なソリューションが出来上がるのでは、というのか今回のソニーの提案のように見えます。

ただ興味深いのは、一方でそれぞれがそれほどお互いを必要としていないようにも見えること。昔のソニーだったらファミリー製品同士の組み合わせに拘ったものですが、この両者はそれぞれ単独運用が可能。XPERIA PROはもしかすると他社カメラのパワーアップパーツになってしまう可能性もあるわけです。そもそもα1のWebページではXPERIA PROのことは触れられておらず、専用のマウンターすら用意されているようには見えません。(シーンによってはManfrottoのPIXIスマホクランプを使っているところを公式に掲載されていますが、あの1,700円程度のクリップは22万円のスマホを支えるには華奢すぎると思います。)

5G対応、スマホとしても完成度の高い(おサイフケータイのオミットは確信的だと思われる)XPERIA PROと、ミラーレスカメラとしても最高峰のスペックであるα1が有線で密に連携して撮影現場の革新を図る…となれば刺激的ですが、ソニー本体とソニーモバイルの溝なのか、これがイマドキのオープンな商売のやり方なのか、ここを上手く囲い込まれたら「キヤノンが息をしていない」状態もあり得たわけで、命拾いしたなとも思います。

裏を返せば、今回スマホとカメラが極端に融合されていないことで、それぞれの製品ライフサイクルの中でモデルチェンジができるようにもなったわけです。α1のライフサイクル中にXPERIA PROは2~3回モデルチェンジするストーリーもありえるでしょう。その場合でもシステム全体の価格の2割ほどでスマホ側は最新に更新できるわけで、これは面白い話です。

カメラマンが大きな会社組織に属している場合、それに対応できるキャパシティのあるベンダーということでキヤノンやニコンが選ばれてきた面はあるかと思いますが、今後働き方改革が進むとカメラマンの個人事業主化も進むでしょうから、組織のしがらみのない導入が可能という面でもこのシステムの普及に有利に働くかもしれません。

もともと電波系に関しては石橋を叩いて渡ってきたキヤノンですが、このソニーのソリューションにどう対抗するのでしょうか。XPERIA PROに繋がる仕様で出してくるでしょうか。一番見たくないのは、キヤノンが伝家の宝刀のごとく既存技術に固執して自滅することなのですが。

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