マトリックス レザレクションズ(微ネタバレ)

公開翌日の土曜日のレイトショーで見てきました。

映画館で一番大きな部屋「シアター1」での上映でしたが、お客さんは1割くらい。いくらレイトショーとは言え公開翌日の週末とは思えない客数で、みなさん、なんで観る前から分かってるんだろう…と思ってしまいました。いや、ソードアートオンライン・星なき夜のアリアの方がお客さん多かったと思いますよ…。

 

1999年の初代公開時はその今まで観たことがない斬新な映像表現で観客の度肝を抜きましたが、あれから22年。「今いる世界は実は作られた仮想空間だった」という設定は1985年の日本のアニメ「メガゾーン23」でも見られた概念ですが、いかんせんそれからの現実の進歩が早かった。CGと撮影技術の発達で、初代マトリックスの映像技術は完全にキャッチアップされましたし、仮想現実という概念もずいぶん普及してしまいました。

それはいいんですけど、もし初代の「マトリックス」の志を継ぐのであれば、また誰も観たことのない映像体験を目指すべきだったのかも知れません。しかしそういうこともなく、あくまで前三部作のエッセンスの寄せ集めの焼き直しで、「マトリックスは、これでいいんでしょ?」的なやっつけ感がハンパありません。

細かいところを言えば日本も登場するのですが、あの描写はひどい。新幹線の中でのバトルシーン(しかも人が窓の外に放り出される)はさすがにJRがイメージ戦略的に許可しないとしても、ちょっと描写が雑すぎるんじゃないかというような出来。別に日本をリスペクトしろとは言いませんが、日本人からお金を取るんだったらもう少し真面目に描いてくれよ、とも思ったりします。

あとは終盤の戦闘シーンでの人間ミサイル、あれがどうなんですかね。人間をハックして窓から飛び降りさせることで道路を走行しているバイクに対するミサイルとして使う、というものですが、無数の人間が窓から飛び降りて路面に激突、グシャグシャと音を立てて潰れていく様は、悪趣味にも程があると思います。これ絶対子供に見せられないやつですね。

エンドロールの後の寸劇が、監督の自嘲にも見えてしまいます。ネコ動画にすら勝てないと。

完全に蛇足でした。前三部作で充分です。

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