機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版]を読みました。
1993年、アニメ製作業界に失望した庵野秀明氏がエヴァンゲリオンの企画開発と時を同じくして試みたのがほかアニメの分析と検証。その過程で生み出されたのが本誌です。時代で言えばバブル崩壊直後。手垢が付いた表現で好きではありませんが「失われた30年」の始まりの頃でもあります。
ほぼ全編、対談記録です。いくらZガンダムLD-BOXの取材に便乗したとは言え、富野監督この時代はこんなにフランクに色々話してくれたんですね。今は色々立場があるので、あまり変なことも言えなくなってしまったのでしょう。ガンダムビジネスヒエラルキーの上の方に祭り上げられた今では、まさに「これでは道化だよ」でしょうか。
逆襲のシャアをもう一回ちゃんと見直してみるかな…という気持ちは沸きますが、基本的はこれは家電製品で言えば「取扱説明書」ではなく、「サービスマニュアル」なんですよ。作り手が、作り手のために書いた本。視聴者側が読んで楽しいか?と言われれば、「俺はサービスマニュアルを読むのが大好き!」というような人でなければ楽しめないだろうなと思います。知らない方がいいこともあるかも。
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