機動戦士ガンダム THE ORIGIN(movie edition) 第一章 @新宿ピカデリー 安彦良和氏・ことぶきつかさ氏 舞台挨拶

新宿ピカデリーで上映された「機動戦士ガンダム THE ORIGIN(movie edition) 第一章 シャア・セイラ編」と、安彦良和氏・ことぶきつかさ氏の舞台挨拶を観てきました。

映画自体はもう何遍も見ているのでアレですが、目的はこれ:

入場特典:安彦良和氏の直筆サイン入りイラストシート。

「直筆」が本当に直筆なのか確信が持てませんでしたが、1つ1つ微妙にサインが異なるので、直筆だと確信しました。光に斜めにかざすと反射率がサインペインのそれでした。もう家宝ですねこれ。

収容人数約200人の劇場で、全員分書くんですねぇ…。なおサインが配られるのは新宿ピカデリー、及びShimane Cinema ONOZAWA(島根県) での舞台挨拶回のみで、他はサインなしのイラストシートになります。

1時間×6本でOVAでリリースされた「THE ORIGIN」が、なぜいま2時間×3本の映画に再編されるのか、その理由が舞台挨拶で安彦氏の口から語られました。以下、安彦氏とことぶき氏のトークです。

<安彦氏>
・1時間×6本より、2時間×3本の方が興行的に使い勝手がいい。それと、「2時間の映画作品」として、後世に残しておきたかった。
・原作コミックでも1巻~12巻がちょうど2巻ずつ6本の映像になった形だが、実は自分の中の区切りは4巻で1つの話にしている。そういう意味でも4巻=2時間の映画にすると、ちょうどキリがいい。
・2時間の映画にすることで、理解しやすくなる。特に映画の2本目(OVAのIII, IV)は「こんなところで切っちゃうの」という違和感がなくなって良かった。
・コミック開始から四半世紀…歳もとるわけです。
・自分としては本作はリマスター費用くらい稼げればいいと思っていた。なので新宿ピカデリーのような立派なハコで上映してもらって感激している。
・(ことぶき氏をガンダムの映像化に巻き込んだことに関して)彼の描いたものを見て、自分のタッチに似ているなと思った。でも後で知ったのだが、似ているのはその作品だけで、その前以前の作品はタッチが全然違っていて驚いた。
・元々漫画家だったことぶき氏をアニメの世界に引きずり込んで申し訳なかったと思っている。
・バンダイナムコ…何でしたっけ、ああ、フィルムワークス。
・バンダイナムコフィルムワークス(以下BNFW)の幹部に、「ことぶき氏にやらせてくれ、ことぶき氏でなければ自分は降りる」と直談判してプロジェクトに入れてもらったが、BNFW幹部の反応は「ことぶきつかさって誰?」みたいな反応だった。
・ファーストガンダムは、ちょくちょく登場人物の昔の背景を説明するシーンが挟まれている。その最たるものがセイラの「兄さ~ん!キャスバル兄さ~ん!」なのだが、あのシーンに繋げるためにTHE ORIGINではとても腐心した。そして完成した映像を見て、「見たか!」という気持ちになった。(注:安彦氏は過去にテレビ番組で、ファーストガンダムの初回放送を宇宙戦艦ヤマトのスタッフと一緒に見て、ヤマトのスタッフが黙ってしまった姿を見て「どうだ!」という気持ちになったということを回述していました。誰かを見返したい気持ちが常にあるのかも知れません。)
・本作で西洋甲冑を着た敵をキャスバルが刺すシーンがあるが、あれはガンダム最終回のアムロとシャアの決戦シーンへの前振りである。アムロと対峙したシャアが幼い頃に倒した西洋甲冑の敵と今の自分を重ねて隙を生んでしまい、その瞬間をアムロに突かれた、という話に(ORIGIN版コミックでは)してある。

<ことぶき氏>
・実は今回の再編で一番手がかかっているのは3作目(OVAのV, VI)。これが安彦さんがやりたかったテンポなんだ、という仕上がりになっている。
・BNFWからは「このプロジェクトに入ったら10年は抜けられませんよ、それでもいいですか」と言われたが、「あっ全然いいです」と回答した。
・ORIGINの話をいただいてから、安彦タッチの絵を一生懸命勉強した。
・THE ORIGINの映像化作業において、安彦さんはとても楽しそうだった。あまり出勤はしないのだが、たまに出社して楽しそうに原画修正とかしているのを見ると、スタッフ一同「安彦さん楽しそう」とほっこりする。
・安彦さんが帰り際にカバンを持った手でことぶき氏の肩揉みをしながら、「漫画界に戻らなくていいの~?」とよく言っていた。
・自分はアニメのことは分からなかったので、安彦さんがよく説明してくれた。でもさすがに「原画」くらいは知っていたが、安彦さんが「原画ってのはね~」と自分のために目の前で絵を描いてくれるのに感激して、そのまま知らないふりをしていた。

こんな感じでしょうか。いろいろ興味深い話を聞けて良かったです。

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