東静岡のBHCPDIIに行ってきました。
BHCPDIIは今までの工場(BHC)の隣にあるのですが、敷地は隣接しておらず、間に「静岡県立科学技術高等学校」への道が挟まっています。実は当該高校は旗地なんですね。ですのでBHC と BHCPDII の間には当該高校の門があるのですが、その門越しに BHCPDII を撮影しようとしたら立ってた男の人にめっちゃ怒られました。おそらくですが、BHCPDII への見学者が1日を通じてゾロゾロ歩いてくるので、高校の動線上で(そこがたとえ歩道であっても)立ち止まるな、という、ある意味 BHCPDII 側の「高校に対する申し訳ない気持ち」が反映されているのだとも思いますが、それにしても BHCPDII の見学を楽しみにしてきたお客さんにその態度はないぜ、と思いました。
BHCPDII の敷地に入ってからのお姉さんの案内は親切で、「こっち日陰で涼しいですよ」とか「順路一方通行なのでここには戻れませんから撮るなら今ですよ」とか色々アドバイスしてくれるんですが、高校の門の前にいたおじさんだけがテンション違う感じ。
これただのガンプラオブジェじゃなくて、1/1スケールなんですね。
なので、一緒に掲示されている取説にも 4mのニッパーを用意しろと、しれっとギャグがwww
受付をするとスマートタグ内蔵のIDカードが貸与されます。これは入場時の認証や、ガンプラの設計体験をするときの端末の認証に使います。貸与であって最後に回収されます。これ欲しいのに。
受付ロビー壁面のオブジェ。
入るとまず、構想図、検討図などが撮り放題の廊下に通されます。
PGUの図面だー。
@Anmi キャラだー(ソウレイですかね)
この先、トイレタイム(見学路にはトイレがない)と、IDカードへのニックネーム入力などがあり、そしていよいよツアーのスタートです。巨大なスクリーンで映像でバンダイのモノづくり的な映像を見せられるのですが、ここは撮影禁止。ですがその映像が終わるとこの見学ツアー最初にして最大のサプライズが…!
どんなサプライズかは言ってしまうとこれから行く人へのネタバレになってしまうのでここでは伏せますが、思わず「おお!」と声が出てしまいました。このツアーに「なんとなく参加」ではなく「前のめりで参加」した人は、絶対声が出ると思います。座席は前後2列がありますが、可能なら前列、しかもできるだけ中央に座った方が感動が大きいかな…。
そんなわけでここからは撮影OK。2階からになりますが、製造ライン撮り放題です。(注:ガラス越しです)
この袋は原料となるペレットでしょうね。
自動倉庫。見学のタイミングで運搬メカが動いているのはラッキーとのこと。
スーパーカミオカンデかと思いましたが、「G-MISSION 4000」で製作された4,000体のガンダムです。
なぜ4,000体かというと、成型機1台で1日に生産できるランナーの数なんだそうです。
ガンプラの要素技術の展示コーナー。
水星の魔女シリーズで使われたインモールド成形の技術展示は初めてではないでしょうか。
フィギュアライズラボの南ことりじゃないか!久しぶりやな!30MSに押されてると思うけど再販するの!?
違う角度からの成形機。ご覧の通り、人があまりいません。
ガンプラ開発体験コーナーの画面の一部。この画面ではランナーをどう配置するとプラスチックが高速に流れて行きやすいかを視覚的に体感することができます。
金型師の道具。実物。外注に出さずに、社内製作なんですね。
まだ製造ラインには余剰スペースがあります。ここまで全部製造装置が並ぶのは、2026年の3月になるとのこと。
こちらは単色成形機ですかね。
このあと3階に階段で移動して、ちょっと撮影禁止コーナーがあるのですが、実はその撮影禁止のものが公式PVに映っています。
これの3:05~あたりから。そう、撮影禁止なのは梱包工程なんですね。実際は上のPVの3倍くらいの速さで梱包していました。正直、殺気立ってたと思います。全工程でここだけ作業員がたくさんいて、自動化ができていないことを匂わせますが、検品も兼ねているようで「不良品」の容器もありましたのでNG品はここでハネてるんだと思います。
ただ自分、最近ガンプラで「欠品」「不良品」に遭遇したことがなくて、部品点数からすればそれは奇跡的なことなんじゃないかと思いますが、説明書の部品請求カードにも以前は「こわした・なくした・不良・不足」と理由に丸をつける欄があったんですが、いつの頃からか「こわした・なくした」だけになったんですね。すなわち、不良、不足はありませんよと。
あの梱包工程で撮影禁止になるほどの秘密がどこなのかは、読み解けませんでした。
実際に目の前で成形を見せてもらえます。
お土産展示コーナー。ここのお土産は参加者に後で送られてくるメールのリンクから翌日までの限定で各1点ずつプレバンに注文することができます。これはスペシャルカラーの成形機。買います。
スペシャルカラーのリシェッタ。買うつもりはなかったのですが、製造ラインが映ってるパッケージ見たら欲しくなってしまいましたwww 買う。
ガンダム。これはデフォルトで買う。左に見切れてるのは恐竜ですが、これは買いません。
お土産。「開業記念」の熨斗がついたエコプラと、設計体験の成果物です。右の小さな部品がありますが、これは私が設計したものというわけではなく、全員同じものが配布されます(恐竜、ガンダム、リシエッタから選択。)切り離さないでくださいと注意書きがあるのですが、たぶん安全基準がクリアできないからなんでしょうね。
なお設計体験はスコアがつけられますが、てっきり独創性が求められるのかと思いきや、「バンダイが考える正しさにいかに沿えるか」という基準でスコアが決められる…というのがだいぶ後工程になってから気がつきまして、スコアは前半あまり振るいませんでした。
この「開業記念」の熨斗のセンスwww こういうところがバンダイらしいというかなんというか…。最先端の技術を持つグローバル企業でもあり、田舎の中小企業でもあるという二面性が垣間見れます。
中身は普通のEGのエコプラです。
さて今回の体験を通じて、バンダイがガンプラだけではなく、恐竜や美プラも同じくらいの扱いをしているのが印象的でした。現状では出荷台数としては圧倒的にガンプラなので技術事例もガンプラが多いのは仕方ないと思いますが、選択肢があるところは必ず「恐竜(ティラノザウルス?)」「ガンプラ」「美プラ(リシェッタ)」になっていました。おそらくガンプラブームの終焉が近いと読んでいるのでしょう。
しかし、バンダイがプラモデルに込めた気持ちを知ることで、やっぱりプラモデルっていいなぁと再認識しましたし、作りたいという気持ちのモチベーションアップにもなりました。バンダイの売り方だけはえげつないと思いますけどね。
残念だったのは見学と体験会をエスコートしてくれる女性に技術的な質問をする余地がなかったこと。おそらく設計製造に関わっていない、この見学コースだけのために雇用された女性と思われ、質問しても深い話は答えられなそうでしたし、そんな時間もありませんでした。
写真はまだまだ載せきれていないものが色々あるのですが、それは今後参加される方のお楽しみとしたいと思います。
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