東芝が今年3月に白熱電球の生産をやめたのは記憶に新しいところだが、次世代の照明と目されているLED照明だってまだ市場が立ち上がったばかり。もちろん、そのつなぎとして電球型蛍光灯があるから東芝が決断できたのだとは思うが、LED照明が本命であることは疑いようがない。
そんなわけで好奇心につられて、一時期に比べてだいぶリーズナブルになってきたLED電球を1つ購入し試してみた。選んだのはPanasonic EVERLEDS LDA7L-A1。暖かみのある電球色で、裸電球で30~40Wに相当する明るさだ。消費電力は6.9Wである。電力だけで考えればもう旧来の電球を使っているのを罪深く感じるレベルだ。
写真左がEVERLEDS。外観は他社にあまり見られないスッキリしたもので、裸状態で使う場合でも見た目がゴツゴツしてなくて好ましい。ホコリも積もりにくそうだ。
我が家のキッチンではいま、ナショナルの100W相当の明るさの電球型蛍光灯「パルックボールスパイラル」(実際の消費電力22W)を使っているのだが、それを今回購入したEVERLEDS LDA7L-A1に置き換えてみた。
第一印象は「おっ意外と明るい!」
電球型蛍光灯と異なり、電源ON直後からスパッと明るくなるのが気持ちいい。パルックボールスパイラルは点灯5秒後には50%強の明るさしか出ないスペックだが、LED電球は点灯直後からほぼ100%の能力を発揮する。
配光特性はほぼ電球の外観から想像される通りで、天井からつり下げた場合、下方向に明るさが集中している。とは言うものの、人の頭より高い位置に取り付ければ、普段の行動範囲は問題なく照らしてくれる印象だ。光源が小さいせいか、または特定方向に指向性を持っているためか、視界に入ってきた場合のまぶしさは同ワット数相当の電球より明らかに強い。100W相当の電球型蛍光灯と比較しても目には眩しく感じた。
「意外と明るい」という第一印象は、電源ON直後から100%に近い明るさを発揮する特性と、この光の指向性の強さによるもののようだ。
しかし普通の電球のようにほぼ360°光が拡散するわけではないので、天井から吊した場合でも、天井で反射するような照明効果は得られない。カタログスペックの「ダウンライト器具使用時で60W相当、ランプ単体での明るさ30~40W相当」には全く偽りはない印象だが、当然だが100W相当の電球型蛍光灯の置き換えには明るさが足りないようだ。
エネルギー効率という面では電球型蛍光灯と比べて圧倒的な差があるわけではない。いま電球型蛍光灯を使っている場合には積極的に置き換える意味は小さいと思うが、電球型蛍光灯の最初数分が暗いのに嫌気がさしている場合には検討の余地がある。
余談だが、電球型蛍光灯にも、点灯直後の明るさを改善している製品がある。パナソニックの「パルックボール・プレミアクイック」がそれだが、それでもLED電球の圧倒的スタートダッシュには敵わない。価格も近いことだし、明るさ条件さえ合えば、LED電球の方が使いやすいだろう。
—
パナソニック LED電球(全光束:450 lm/電球色相当)Panasonic EVERLEDS(エバーレッズ) LDA7LA1(Amazon)
コメント
光が広がりを重視すると面光源の有機EL照明ですよね。
パナも開発していて展示会などでは有機EL照明を出していたりします。
有機ELだと曲げられるんですよね。
そういう意味ではLEDより有利ですね。
でも技術的に明るさを稼ぐのが大変そう…