日本勢がハイブリッド化が進む一方で、欧州、特にフォルクスワーゲングループ勢の流れは小排気量ターボ。Audi A3 Sportsbackの末っ子モデルも当初2リッターNAだったものの、のちに1.6リッターNAになり、ついに1.4リッターターボにモデルチェンジしました
ところがこの1.4Lターボ、出力で言えば1.8リッターNAくらいに相当し、7速Sトロニック(ツインクラッチAT)との組み合わせで10.15モード燃費は16.6km/Lを叩き出し、乗った方からは「これで充分」という話をよく聞きます。以前の1.6リッターNAはお世辞にも速いとは言えなかったので、ダウンサイジング化にともない本当に「これで充分」なのかぜひ自分で確かめたいと常々思っていました。
2010年モデルを早速試乗。高速ではなく、一般道だけですが。
…本当でした。充分です。というか、7速SトロニックがMTと同じダイレクト感を有することもあり、むしろ町乗り加速中のグイグイ感は私の2.0リッターNAにも全く引けを取らない感じ。エンジンはうるさいのですが、遮音が私の2006年モデルより優れているようで、トータルの静粛性はこちらの方が上。
試乗はウエット路面だったと言うこともあり、ちょっと勢いよくアクセルを踏むとホイルスピンするほどです。それくらいトルクがあると言うことです。
にしても速い速い。これ、本当に125psですか? 私の2.0リッターNAより街乗りでは速いんじゃないでしょうか。いや、ボディが小型軽量な分、その辺の国産セダンの2.5リッターNAより速いかも…?
ステアリングも2008年頃のモデルですごく軽くなったように思うのですが、この2010年モデルは適度な重さで、旦那様と奥様のどちらからも不満が出ないレベルと思います。(2006年モデルは奥様から不満が出そうなくらい重い。)
わざと加速減速を繰り返した7kmほどの試乗でしたが、オンボードコンピュータ計測による燃費は10.7km/Lと優秀。おそらく2.0リッターNAモデルではたぶん6~7km/Lくらいになるところだと思います。
エンジンをかなり低回転側でパワーが出るようにチューンしているので、たぶん高速道では頭打ち感が出るのだと思いますが、一般道で60km/h+を出した感じでは、100km/hくらいではまだまだ余裕はありそうです。ただ、町乗りではSトロニックは7速には入らなかったですね。さすがに。
7速Sトロニックはほんの僅かなクリープが発生するよう仕組まれており、また、坂道発進ではヒルホールドアシストもあり、後ろに下がることはありません。
とにかく「ターボ」「小排気量」「ツインクラッチ乾式AT」であることを全く感じさせない、従来の普通の車から乗り換えても全く違和感なく躾けられている点は素晴らしいと思います。時代の空気にマッチしつつも、走りを犠牲にしない。ゴルフだと「TSIトレンドライン」というグレードに相当するメカですが、いま最も売れているグレードというのも納得できる話です。
試乗記念品?はドアポケット用のティッシュ。普通のティッシュの上面ではなく側面に穴があいているような形。これいいなー、商品にしてくれないかな。1箱100円でも売れると思うけど。
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