「輪るピングドラム」全話観てみました(ネタバレ注意)

なかなか時間が確保できず連続ものの作品は消化できないのですが、ネットの評判などから「輪るピングドラム」が面白そうだということで、冬休みを利用して最後まで見てみました。これはいわゆる「オトナアニメ」に分類される作品ですね。

以下ネタバレ回避のため畳んでおきます…


ストーリーについてはネタバレ含めWikipediaに詳しいので割愛しますが、「回る」ではなく「廻る」というところで輪廻っぽいイメージがあり、実際、結末は1話に回帰するような描写があります。

この手の作品は最近は1クールで纏まっていることが多いのですが、本作は2クール。よって、かなり展開や伏線が複雑になり、見応えのある作品でした。ペットのようなペンギンやピクトグラムのモブキャラに目を奪われがちですが、それは本質ではなく、重々しくなりがちな復讐劇の中でお新香のような爽やかな存在(笑)になっています。

本作は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」がところどころモチーフになっているのですが、基本は親に見放された子供たちの家族愛を描いた物語。しかしその親たちがテロリストだったり経済界の重鎮だったり、現代の科学ではあり得ない兵器が登場したり、犯した罪とそれに対する罰、そして最後には1980年代のコミックのような「実はこっちが兄弟で、こっちの血は繋がっていない」などのどんでん返しもあり、そういった複雑な要素が絡み合ってラストシーンの「運命の乗り換え」に収斂してゆきます。

ヒロインの「ひまり」が第一話で早々に命を落とした後に、その肉体に憑依する「プリンセス・オブ・ザ・クリスタル」の女王様口調での命令・罵倒シーンは毎回展開が楽しみで、ネットで「スタイリッシュ脱衣」と評されているのには笑いました。確かにスタイリッシュ脱衣ですね(笑

また本作はイメージアルバムがリリースされており、本編中やエンディングで使われた数々の曲が収録されています。



これは「トリプルH」という架空のアイドルユニットが歌っていることになっているのですが、本編には「ダブルH」というユニットしか登場しません。これは「ひまり」がクラスメイト2人と一緒に「トリプルH」としてオーディションに応募するはずだったところ、ちょっとした運命のいたずらと言うかアクシデントで加わることができず、結果的に残った2人が「ダブルH」としてメジャーデビューすることになったもの。つまり、アルバムでは「叶うはずだった未来」が具現化されているわけで、本作を観る前と観た後ではこのアルバムに対する思いは随分変わると思います。


コメント

  1. Tak. より:

    「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」
    意外な方向に話が展開してビックリでした。

    今期は「あの夏」に期待なぅ。

  2. Kumadigital より:

    まぁ罪にまみれた人たちを綺麗に着地させようと思ったら、
    ああなるのは必然かも知れません。

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