「冷蔵庫は横倒ししてはいけない」という電気屋さんがいます。
厳密には正しくないのですが、電気屋さんとしてはそう言わざるを得ない面もあります。
横倒しNGの理由は、本来コンプレッサーを満たしているはずの冷媒が横倒しにより配管内に拡散してしまい、縦に戻してすぐ運転するとコンプレッサーが「カラ運転」のようになってしまうため、と理解しています。しかし日本の家電なめんな、です。ハイエンド冷蔵庫が横倒しNGなんていつの時代だよ、という訳です。
たとえば一例を挙げますと、三菱の冷蔵庫 MR-Z65S の場合は取説にこう書かれています。
ほか、運搬時の注意の図でも、思いっきり横倒しにされています。
しかしよく読むと「横積みはしない」と書かれています。これは搬入のために一時的に横倒しするのはOKだが、その状態でトラックに乗せたりして運搬するのはコンプレッサーに想定外の応力がかかるのでNGですよ、ということを示しているものと思われます。
横倒しを可能にするには、設計上の配慮が必要で、安いモデルを含めたすべての市販されている冷蔵庫が横倒しの配慮をされているとは言い切れません。いちいちどの機種が横倒し可能かなど覚えていられないので、電気屋さんは一律安全側に振って「横倒し不可」と言っているものと思います。
また、横倒しが不可とされている機種でも、正しく設置して冷媒がコンプレッサーに戻れば(機種により2時間~一日程度放置する)電源を入れても壊れることはまずないのですが、動作確認のために電気屋さんは2時間とか1日とか待っていられないし、「明日になってから電源を入れてください」なんてお客様には丸投げできませんので、「横倒し不可」で統一しているのだと思います。
もっとも、イマドキの大型冷蔵庫の運搬用取っ手が設けられている位置を考えれば、横倒し運搬以外は考えられないですが…。
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