千年万年りんごの子

昨年の夏前には買っていたように記憶しているのですが、積ん読になっていたものをようやく読了。でもこの本は寒くてりんごの美味しい季節に読むと雰囲気が出ます。

sennenmannen

妻を思いやる気持ちが裏目となり、禁忌の木のリンゴを妻に食べさせてしまった夫・雪之丞と、そのせいで神様の嫁になる運命を背負わされた妻・朝日が、運命に抗う物語。第16回文化庁メディア芸術祭で新人賞を受賞。kindle版もありますが、これはおそらく名作だろうという予感があり、年頃になった子供たちが本棚に置いてあるこの本にいつか手を伸ばしてくれることを期待して、製本版を選択しました。

映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」的な要素があり、そこにとても表沙汰にはできなかった村に隠された禁忌の過去が絡んできます。神に逆らった雪之丞が物語終盤に払った犠牲は決して小さくない割には絵をつぶさに観察しないと見過ごしてしまいますが、その割には何とも救われない、静かな読後感でした。

なお表紙カバー裏は「津軽りんご新聞」になっているので、忘れずに読みましょう。


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