「ヤマダ電機の暴走」読了

yamadadenki_no_bousou

業界No.1の規模でありながら、社員に最も愛されていない家電量販店とも言われているヤマダ電機。その品揃えは「ヤマダになければヨドバシに行く」「ヨドバシに行ってなければ諦める」と言われるほど偏っており、まるで「あなた方消費者はこの程度のものでいいのでしょう?」という上から目線すら感じます。

それは山田昇会長の原体験に基づく確信的なものだし、それがヤマダ電機のカラーだと言われればそれまでですが、業界No.1を標榜するならそれに見合った社会貢献なり品位は要求されるはず。なのに本書によると山田昇会長の意識は公正取引委員会への対応ですら、どこか町の電気屋さんのままという。

今までもヤマダ電機に行ったときに感じる「うすら寒い感じ」の原因が解らず居心地の悪さだけを感じていたのですが、本書を読んでその正体が掴めました。読後感はかなり後味悪いですが、家電量販店業界No.1は何をしているのか、そしてその影でサプライヤーNo.1のPanasonicはヤマダをどう利用しようとしているのか、この断面は家電業界に関心があるなら知っておいて損はないと思います。

この本が経営マネジメントの切り口で書かれた本だからなのかも知れませんが、ヤマダ電機の売り場に「販売員の想い」「作り手の想い」は存在しないようです。

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