Audi A4を借りています

車検の代車で何とAudi A4 2.0T quattroを借りています。車両本体価格518万円、昨年10月登録、走行3,600kmの新車。こんな豪華な代車を借りるのは初めてです。普通、型落ちのA3とかかと思っていましたが…。

ディーラーにも「堪能してください」と言われたことだし、お言葉に甘えて往復300kmほど家族で高速ドライブしてきました。リモコンをステアリング左の所定の位置に収納し「START」ボタンを押すと、ジェントルに2.0ターボFSIエンジンが目覚めます。電動式パーキングブレーキをリリースして発進。

ビジネスジェット、という形容がぴったりな高速ツアラー。出だしからボディサイズを感じさせずフワッと一瞬でぬわうkm/hに。日本の、雪が年に何回かしか降らないような地域ではクアトロシステムって要るの？と思っていたけど、同じエンジンを積んだA3の初期の2.0T(FF)ではホイルスピンしていたところ、太いトルクを持て余すことなくキッチリ路面を蹴るパワーに変換できる点に感心しました。

それに何よりコーナリングが違うんですね。FF車ではアンダーの予兆がして減速するような場面でも、軽く四輪にトルクを与えておけば、オン・ザ・レール感覚がコーナリングでもそのまま続く感じ。全然減速してないのに。なるほどね…。

高速道路の法定速度内ではリア席の子供の囁きすら聞こえるほどの静粛性。そして何のストレスもなく東名高速の流れをリードできる安定性。速度計280km/hまで目盛りがありますもんね。ミッションは７速のＳトロニックで、100km/h時の回転数は2,000回転を軽く下回ります。

全幅1820mm、ホイールベース2810mmが生み出すゆったり感は、一度味わってしまうと「ちょっと日本の道路ではワイドすぎるのでは…」という言葉を飲み込んでしまう説得力があります。まぁそれでも立体駐車場は冷徹なので、入らないところには全然入らないんですけどね（笑

凄い車だとは認めつつも、ちょっと自分には似合わないなぁ…とも思いました。ツマが持て余すボディサイズ、と言うのももちろんありますが、私の生活の中でこれだけが突出して別世界というか、異次元空間。これに乗るならもっと生活レベルがブルジョワじゃないと、ランニングコストとか色々辻褄が合わないことになりそうな気がします。

だって今日も車検中のディーラーから電話がかかってきて、「クマデジさん、A3のリアのブレーキパッドとバッテリーがヘタってるので交換推奨なんですがどうします？」と言われてガクガクブルブルしてるようじゃぁ、ね。

なお、燃費は高速道路９割以上で、オンボードコンピュータによる測定で12.9km/L。もちろん運動性能からすれば上出来な燃費なんですが、いかんせんエコカーに慣れた目には辛いものがあります。（そういえば以前乗っていたアコードクーペSiR 2.2L DOHC VTECもこれくらいの燃費でした…それを考えれば凄いことかも。）

気になった点と言えば、Ｓトロニックに起因するであろう、低速時のギクシャク感ですね。直結感が売りのミッションなので仕方ないと思いますが、A3 1.4TのＳトロニックはそんなことなかったので、もう少しやりようはあろうかと思います。それと、quattroに起因すると思われる、低速大舵角時のゴリゴリという微振動。これもフルタイム4WDではよほど工夫しないと原理上出ますよね。

全体的なフィーリングですが、私の愛車A3と、先日試乗したR8を線で結ぶとすると、このA4 2.0Tもその線にきちんと乗っている印象があるのが素晴らしいと思いました。Audi車として、ラインナップの上から下まで貫かれている線が感じられるんですよ。良くできた味付けだなぁ。

で、こんな素敵な代車に乗って往復300kmの場所って、ここなんですけどね（笑

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