クルマを10年目の点検に出してきました。2時間ほどかかるとのことなので、待っている間に「試乗しますか?」と水を向けられ、2016年型Audi TTとAudi RS3に試乗してきました。
宇宙から降ってくる謎のCMでお馴染みのTT。実車を見るのも乗るのも初めて。他のAudi車より無機質さが際立っていて、なるほど宇宙から降ってくるイメージというのも頷けます。メッキ加飾がミニマムということもあり、ボディが白色だとあの世界的に有名な某特撮宇宙映画に出てきそうなデザインテイストです。
試乗したのはベースグレードで、価格は542万円。セールス氏によると先代より120万円ほど高くなっているそうです。なんだそれー。
2.0ターボエンジンなので全く遅くはありません。むしろ速いです。クワトロではありませんが、制御が上手なのか、初期のA3の2.0ターボで見られたようなありあまるパワーをタイヤが受け止めきれずにスリップするような素振りは見られませんでした。
アイドリングストップからの復帰もかなり進化していて、エンジンをスタートアップしながら発進(!)でもギクシャク感がないのには驚きました。短期間でずいぶん進化しましたねぇ。
ステアリングは見た目以上に握った感じが異形で、今どこを掴んでいるかは否が応でも強く意識させられます。革はもちろん量産車トップクラスのいい革を使っています。
にしても、メーター内の地図は不慣れなせいか、それほど見やすいとは思いませんでした。ちょっと仰角が足りない(メーター液晶がかなり立ち気味に設置されている)のが原因かも知れません。デートカーにしても、パッセンジャーから地図が見えないのってどうかと思いますが…。
この手のクルマってどんどん目新しさを打ち出していかなければならない宿命なのは分かりますが、エアコン吹き出し中央のツマミに温度表示って目新しいにも程があると思います。この温度表示を囲うツマミを回して温度調節をしますが、またその感触の官能的なこと…。
そういえばエンジンを切ったとき、AudiのCMでメーカーロゴが出る際に流れる「ドドン・ドドン」という効果音が鳴ったんですが、何ですかこれ(笑。
次はRS3。A3のボディなのに756万円もします。裏を返せば、現行A3のボディはこの756万円のグレードに耐えうる基本構造を持っていることになります。
「ドライブセレクトをダイナミックにするとRS3になりますから。コンフォートだと普通のA3ですから」とセールス氏に説明されて、いざ公道経由・高速道路へゴー。
「後ろから火(バックファイヤー)を噴きますよ」とも説明を受けましたが、もちろん自分では分からず。ただ、どえらい加速力とスタビリティです。ベタ踏みするとシフトアップのたびに「バシュ!」という音が出るんですが、この、一応量産車に、一体何が付いているんですかね。助手席の子供大喜び。
後ろから赤色回転灯が追いかけてこないことを確認しなくたって、神奈川県のその辺の道路ではものの数十秒、数秒しか真の力を解放することはできないような気がします。この2.5L直列5気筒は、367馬力もあるらしいです…。
左右方向には微動だにしない路面への張り付き感など、とにかく「速く遠くに」だけでは勿体ないようなポテンシャルを感じるんですが、いやぁこれは道楽車ですねぇ。4ドアで、派手な見た目でもないので、ご近所の目も気にならず、いたずらの対象にもならず、そして事業からの税控除はがっつり、走らせれば狼と。特定の需要はありそうですねぇ。
気がつけばオーディオはB&O。しかし40分ほどの試乗では音楽を楽しんでいる場合ではなかったです。
そういえばA4ですが、もう旧型の販売は終わっていて、今商談に行くともれなく新型だそうです。エントリーグレードでも乗り出し価格が600万円を超えるとか。やっぱり3割アップの噂は本当だったんや…。
セールス氏によると、もはやAudiで従来の価格なのはA3くらいで、あとはすべて現在の為替レートを反映した格好になっているとのこと。そのA3も今年9月のM/Cで価格改定が入る可能性が高いので、いよいよ買えるAudi車がなくなりそうです。もっとも、いま日本では「高い方が売れる」購買層が確実に存在し、Audiもそちらのお客さんをターゲットにしていきたいようで、一般サラリーマンが背伸びして買うようなブランドではなくなって行くのだろうと思います。原価に関係なく高い方が売れるって、化粧品なんかと同じなんでしょうね。
為替のいたずらで、10年ほどでしたがいい夢を見させてもらいました。あと何年乗れるか分かりませんが、最近調子いいんですよね、うちのA3…。
ところで例の不祥事の影響ですが、目安となる「3年後の残価設定型ローンの据置額」はVWが35%に低下したのに対して、Audiは55%のままなのだとか。影響はVWに留まる、ということですか…。
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