マクセルイズミ 毛玉取り器 KC-NB39 をメンテしてみたら謎が増えた

昨冬のことですが、20年ぶりくらいに毛玉取り器を更新していました。必ずしも必要なものではありませんが、あると多少時短になるもの。構造は概ね「粗く作ったひげ剃り」です。今まで使っていたのはSEIKOブランドのものでしたが、このSEIKOの毛玉取り器部門が会社分割やら倒産やらを経て今やマクセルグループのマクセルイズミから発売されています。

 

この「とるとる」という商品名はSEIKOからのもの。ただ、SEIKO時代の当商品は刃部カバーがつき、さらにその内側に付属のブラシが収納できるなどのギミックがありましたが、現行モデルからはそのようなものは省かれており残念です。

 

今回、メンテがてら調べたかったのはこのスイッチの仕様。動作は2モードあって、カタログには「care:おしゃれ着・着衣時の毛玉取りに power:大量の毛玉や毛足の短い毛玉を取る時に」とあります。

そう聞くと、careが低回転で、powerが高回転なのかな?と思いますよね。でも実際動かしてみると、care / powerで多少動作音は違えど、そんなのドラスティックに回転数が違う感じがしません。そもそも単三電池2本で動作する本機は、中国製らしく回転数がちょこちょこ変動して、電気接点の作りの甘さを感じさせます。

上位機として充電池内蔵モデルもあるのですが、年に数回しか使わないし、乾電池式ならばまた20年くらい使えるだろうと思い選びましたが、この回転数変動には興ざめしました。

中身をバラして回路を見てみようとしたのですが、構造が不明な箇所があり分解を断念。しげしげと動作を確認していたら、care / powerでは回転数を変えているのではなく、回転方向を変えていることが分かりました。

 

しかし刃部を見ても、回転方向を変えることによって「おしゃれ着」「大量の毛玉」を切り分ける仕組みがまったく分かりません。内刃の先端がほんの気持ち程度、回転方向に対してオジギするような角度を持っているようにも見えますが、誤差レベルと言われればそれまで。これが気のせいではなく多少オジギしているとして、powerモードではシェーバーで言うところの「逆そり」、careモードではその逆という仕組みです。

となると、切り替えているのは「切れ味の鋭さ」ということになるのでしょうが、毛玉取り器において切れ味の鋭さは調節すべきものではなく常に鋭くあるべきで、調節すべきは生地に対する刃の距離です。実際この毛玉取り器も生地に対してどれだけ歯を浮かせるかを調整するアダプタが付属していますが、毛玉をきちんと除去するには刃の部分は常に全力でカットに当たるべきです。

切れ味が悪いと毛玉が付いている繊維を引っ張り出すことになり、結果として次の毛玉を生みやすくなります。

この意味が分からない設計については暇になったらメーカーにでも聞いてみようかと思います。

 

さて、この毛玉取りというのは車で言う「黄ばんだヘッドライト磨き」のようなもので、やった直後は綺麗なのですが、やってしまうと次の状態悪化を近づけてしまうと言う弊害があります。毛玉取りの場合、どうしても切断時に繊維にダメージを与えるので、そのままでは次の毛玉生成を誘発します。

そこで、

 

こいつの登場です。

「白元アース スタイルメイト」

毛玉を取ったあと、これを湿るくらい吹き付けて繊維をなじませ、毛玉を生む毛羽立ちを抑えるのです。かなり大量に吹きかける必要がありますが、もし吹きかけたときに繊維の上に朝霧の(または朝露)のような感じになったら毛羽立っている証拠ですので、濡れたところをブラッシングするか手で撫でて毛羽立ちを寝かせます。おそらくこれで相当、次の毛玉を抑えられるはずです。

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