「脱炭素化、CO2排出実質ゼロ」で抜け落ちている情報

「カーボンニュートラル」という言葉があります。最近では菅総理が「CO2排出実質ゼロ」というスローガンを掲げていますが、同じ意味です。

それを自動車にあてはめると、まるで排ガスがクリーンな自動車のイメージがありますが、そうではありません。自動車の製造から使用、廃車までのライフサイクルの中でCO2の排出量と消費量がイコールならCO2排出実質ゼロ、カーボンニュートラルです。

極端な話、たとえば今のガソリンエンジンと互換性がある何らかの化学物質があり、それは製造過程で多量のCO2を必要としたとします。その消費するCO2の量がクルマを製造、使用、廃棄する際に生じるCO2に匹敵しているのであれば、いま走っているクルマは無改造ですべてカーボンニュートラルになります。

実際にはそれに近しい化学物質はないことはないようなのですが、まだコスト含めて研究過程にあり、実現には時間がかかりそうです。その間に車がガソリンを使わない方向にシフトしてしまうかもしれません。とはいえ、電気自動車だってその電気を作る火力発電所ではCO2を排出しているわけで、製造過程でCO2を多量に消費する化学物質というのはいつまでも需要はありそうな気はします。

また、CO2を消費するだけの会社から、自動車メーカーがそのCO2消費枠を買い取り、自社のCO2消費量と相殺してカーボンニュートラルを謳うという手もあります(CO2排出枠取引)。

以上は自動車周りの話ですが、他の業界でも考え方は同じです。カーボンニュートラルの達成が容易かどうかは、業種にもよるでしょうが、ちょっとこのあたりの具体的な方法論の報道が少ないなぁと感じ書きました。CO2の排出を抑える技術だけじゃなくて、CO2を消費する技術の方の話がまったくされないのは、「実質ゼロ」の意味が理解されていない証拠でしょうね。

「「脱炭素化、CO2排出実質ゼロ」で抜け落ちている情報」への4件のフィードバック

  1. 自動車ではありませんが、オランダでは石油コンビンナートで発生する二酸化炭素を分離、精製して、トマトなどの野菜を栽培している温室に送り、二酸化炭素濃度を高めることで光合成の効率を上げる試みが成功しているそうです。

    1. そうですね、手段は問わないので、CO2を消費する方向の話題がもっと盛んになればいいのにと想います。

      1. 人工光合成の研究が進めば、実現は可能なんでしょうが、いったいいつ実用化できるかなんですよね。

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