キヤノンのカメラの、PCへのワイヤレス取り込み方法が変更

不勉強で把握していなかったのですが、どうもキヤノンは「Image Transfer Utility 2」によるWi-Fi経由でのワイヤレス画像取り込みを順次廃止して、image.canonというクラウド経由での取り込みに一本化するようです。

なるほど、それでサーバー側のストレージに課金して、というマネタイズですね…と思ったら、今のところ有料プランはなく、すべて無料のようです。サーバー側の保管条件は2つで、「容量無制限の保存期間30日」か「容量上限10GBで保存期間無制限」のどちらか。アカウントを取得するとこの両方が割り当てられ、デフォルトでは「容量無制限の保存期間30日」にアップロードされ、必要に応じて手操作で「容量上限10GBで保存期間無制限」のエリアにデータを移動する仕組みのようです。

驚いたのはimage.canonは2020年からのサービスながら、カメラ側は結構古い機種から対応していると言うことです。私が持っているPowerShot G5 X Mark IIでもimage.canonへの接続設定を行ってみたところ、image.canonのロゴマークがカメラ上に表示されたのはちょっと驚きました(そこ、サーバー側からダウンロードするんだ…)。ただ、現在過渡期にあるようで、以下のような対応になっているようです。

■image.canonに対応している機種
結構古い機種から対応

■Image Transfer Utility 2に対応している最後の機種
EOS Kiss M2 / EOS M6 Mark II の世代

■Image Transfer Utility 2に対応しない最初の機種
EOS R5/R6

■image.canonへの撮影後自動転送に対応している最初の機種
EOS R5/R6

つまりimage.canonへの対応をしていると言っても、撮影後自動転送が可能なのはEOS R5/R6以降となるようで、一方でこれらの世代ではImage Transfer Utility 2には非対応という排他関係にあります。(言い方を変えれば、Image Transfer Utility 2に対応している機種は、image.canonへは手動転送のみの対応と言うことになります。)

Image Transfer Utility 2による転送では、PC側さえ起動しておけば撮影後すぐに転送が始まっていましたが、まれに転送が始まらないこともあり、そのような場合は明示的にカメラの電源をOFF/ONする必要がありました。そこが分かりにくかったせいか、EOS R5/R6世代での自動転送は、一度電源をOFF/ON(またはスリープ解除)することが必須条件になったようです。(=次回電源ONまたはスリープ解除時に自動転送される。)

image.canonのようなクラウド経由での転送は「転送先のパソコンを1つに決め打ちにする必要がない」「転送時にパソコンを起動しておく必要がない」というメリットはあるものの、個人的には少しまどろっこしいなぁと思うところがあります。とはいえ、キヤノンは今までのImage Transfer Utility 2でのモヤモヤしたところをスッキリさせたかったのだろうということも推測できます。

パソコン側でのimage.canonからの自動取り込みを行うための常駐アプリ「Downloader for image.canon」は、今までの Image Transfer Utility 2 との共存が可能なようです。しかしDownloader for image.canon の動作を確認してみると、どうも30分おきにしか自動ではimage.canon をチェックしに行かないようで、つまりカメラからの自動転送は最大30分遅れになると言うことになります。(メニュー操作することで手動でチェックしに行かせることもできます。)

Downloader for image.canon も登場から1年以上経っているようですが、上記のabout画面の通りバージョンは未だ 1.0.0.0 のままで、キヤノンのこれからを預けるであろうサービスの割にはやる気が感じられない(改善の手が入っていない)のが気にはなります。まぁ最低限の動作はするし、M1 Macでも動いたので、バージョンアップの必要性を感じていないのだろうとは思いますが、「1.0.0.0」という数字が醸し出す放置感は不安にはなりますね。

もっとも、手元のEOS R や G5X Mark II では Image Transfer Utility 2 が動作するので、そこから image.canon に乗り換えるメリットは、私の場合はありません。

コメント

  1. […] 先に(2)から説明しますと、これは動作解析したとおり30分ごとというのが公式回答でした。どうしてそんな長い周期の仕様になった、そしてなぜ固定長…と突っ込みたくはなりますが、よりダメなのは(1)です。 […]

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