イトーキ・チェア エキシビション

事務用の椅子はわりとITOKIが気に入っています。普通はこだわりの椅子と言えばアーロンチェアとかエルゴヒューマンあたりが有名ですが、個人的には椅子としての物理的なものに10万〜20万円もかけなくても充分実用的なものが買えるだろうという思いでいます。まぁ考え方はクルマと同じで200万円も出せば充分実用的な新車が買えますが、では実際買うときに200万円に納めますか?という問題と似ている気がします。こと事務用の椅子に関しては、3〜4万円も出せば充分なクオリティのものが買えるだろう、という考えの私です。経験上、1万円クラス(ジェネリックアーロンを含む)だと耐久性に難があり、それが払拭されてまぁまぁの座り心地になるのが3〜4万円クラスです。

さて椅子はとにもかくにも座ってもないと善し悪しを判断することはできません。お店で座ってみたいところですが大抵のお店には限られた商品しか置いておらず、効率がいいのはメーカーのショールームです。しかしコロナ禍のあと、イトーキの個人向けショールームは大半が閉鎖されまして、現在は日時と場所を限定して完全予約制で開催されています。それが「ITOKI CHAIR EXHIBITION」です。東京会場ですと馬喰町(ばくろちょう(※1))駅徒歩1分のところにあるイトーキのオフィスで開催されています。

※1……私にとっては我孫子(あびこ)や勿来(なこそ)より馴染みがなく全然読めない駅名

 

写真中央にある日陰の小さな黒い扉が入口です。めっちゃ分かりにくい!(;´Д`)(案内メールでも分かりにくいと自白されています(笑))

 

さて20畳ほどのオフィスっぽい場所に自由に試せるように椅子が並んでいます。制限時間が40分。同時に4組が入場できます。時間が限られているので、本命製品から座りに行きます。

左が本命製品の「サリダYL8」、右が同価格で微妙に仕様が異なる「サリダYL7」。YL8は肘掛けが上下可動しかしませんが、YL7の方は上下、回転、前後に動きます。一番違うのは座り心地で、YL7は座面クッションがやや大きく、ふんわりした掛け心地。YL8は硬めの座り心地で座面前後長がやや小さい代わりに奥行き調整機能が付きます。太ももの裏側の保持力が高いのは意外にもYL8でした。

なおイトーキには上位モデルでも座面メッシュの製品はありません。私も座面メッシュには耐久性の面で懐疑的で、そういう意味ではイトーキの座面メッシュに頼らない設計思想は性に合っているとも言えます。

 

左がYL8、右がYL7。座面の奥行きが異なるのですが、YL8は座面を前に出せるので奥行きに不足感はありません。

ランバーサポートもふんわりしているのはYL7の方で、YL8は少し硬めのサポートでした。逆にヘッドレストのふんわり感が強いのはYL8。最初「カバー掛けてあるのかな」と勘違いしたくらいの柔らかいヘッドレストでした。

 

折角来たのでほかの製品も見てみますが、こちらのオレンジ色のはサリダYL7/YL8の3倍の価格の「アクト」。エルゴヒューマンに手が届く価格帯ですがこれもメッシュ座面ではありません。座ってみましたがまぁ悪くはないですが、サリダの3倍の価格は納得できませんでした。

 

こちらは新発売の廉価版サリダチェア「サリダCM」です。価格が2割ほど安くなっているのですが、いくつかの主要部材が金属から樹脂に置き換わっていて、斜め後ろ方向への剛性感の不足が気になりました。体重をかけると、明らかに斜め後ろ方向にだけたわむ感じがするのです。まぁそれは私だからであって、普通の体重の方なら問題ないのかも知れませんが。

椅子の上にあぐらをかいたり、座禅を組むといった使い方も想定されていて、肘掛けが跳ね上げ式になっています。デザインは家庭用としてとても素敵だと思いましたが、剛性感のなさがとても頼りなく却下。

さて、一通り見たところでやはり本命サリダ、しかもYL8でまぁいいか、と心に決めはした。一瞬YL7の柔らかい座り心地になびきそうになりましたが、柔らかい椅子はへたるのも早いだろうと考え、YK8へ。会場訪問者限定17%引きクーポンも頂いたので、それを使って買おうかと思います。なおイトーキ製品は8/2から値上げとのことで、7月中には注文しないといけない感じです。

ところでなぜ椅子を物色しているかというと、実は勤務先の社内公募に合格しまして、秋から「一生に一度は勤めてみたい場所にあるおしゃんな高層ビル」にある部署に転勤できることになったのです。ですがおしゃんなビルゆえフリーアドレス制が敷かれていて、自分用の固定した机がありません。出勤頻度は20%以下とのことで、ほとんど在宅勤務になります。それではいま在宅勤務で使っているニトリの6千円の椅子ではダメだなと思いまして、あらためて物色している次第です。なんならクルマ通勤でもなくなるので、次のクルマ更新の時にはクルマを1台に戻してもいいかな…。

なお弊社の社内公募制度は現在の上司には秘密裏に行われる制度で、合格後は基本的に「引き抜きされる方の上司や部署は引き抜かれることを拒否できない」ルールにはなっているのですが、まぁ私としてはそのルールを100%は信用していなくて、「その手があったか」というような妨害工作を受ける可能性があるのは覚悟しています。そうなったらそうなったで、”こんな虫のいない、清潔なジオンの本国へ”行こうと画策して失敗したジオン工作員のごとく、「ハハハハ、これで帰国も駄目になったか」と残念がることにします。

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