南野陽子さんのデビュー40周年記念コンサートツアー「YOKO MINAMINO 40th Anniversary ~ALL singles~“楽園のDoor”」。その千秋楽、J:COMホール八王子での公演を観てきました。本当は初日のNHKホールに行きたかったのですが抽選に外れてしまい、八王子公演で運良く当選、というわけです。八王子なんていつぶりだろ…大学受験で東京工科大を受験したとき以来なんじゃないかな…。それですら39年前ですから、ナンノちゃんのデビューのほうが早いという。
席は一階18列目の左端。眼鏡をかければナンノちゃんの表情が見えるくらいの距離。双眼鏡を使うとテレビ番組くらいアップになります。昨年のマップカメラのトークイベントでは本当に目の前でしたが、歌う生のナンノちゃんを見るのは今回が初めて。ナンノちゃんのアイドル全盛時代はまだ自分も10代で財力がなくて、コンサートに行けなかったし、行くという選択肢も思いつかなかったんですよね。
幕開けは映画『はいからさんが通る』のイントロをスクリーンに上映するところから。すると、映画とリンクするように、はいからさん姿の羽織袴で自転車に乗ったナンノちゃんが登場! そしてClariSも衣装ごとカバーした「はいからさんが通る」を披露し、一気に会場の空気を持っていきました。
その後はコンサートタイトルどおり、シングル曲のオンパレード。先日発売されたレコードを掲げながら「今日歌う曲は全部このレコードに入っています!」と宣伝も抜かりなし。衣装は完全再現ではありませんが、当時の歌番組を思わせるようなデザインが多く、懐かしさと華やかさが同居していました。
この日の衣装はなんと9着! 一公演でこれだけ着替えるのは珍しいのではないでしょうか。ご本人いわく歌い方も当時を再現しているそうで、まさに当時の歌番組を観ているような感覚になります。
中でも心を奪われたのは、白のスレンダードレスで歌った直後の演出。ステージが暗転した一瞬の間に、スタッフが袖から現れてロングヴェールを被せ、花嫁をイメージした姿に変身。そこから「あなたを愛したい」などを披露したのですが、思わずペンライトを振るのを忘れて見入ってしまいました。
58歳を迎えたナンノちゃんですが、さすが女優。体幹がしっかりしているからか振り付けにもキレがあり、トークも堂々としていて観客との掛け合いも完全に主導権を握っていました。まさにベテランの風格です。40年を振り返る中で同期の中山美穂さんや本田美奈子さん(いずれも故人)にも言及し、しんみりする場面もありました。
観客は40年前に青春を過ごした世代が中心なので、曲が始まってもあまり立ち上がりません(笑)。立っても一部のアップテンポな曲だけで、総時間の3~4割は座って観ていた印象。若者中心のライブと違って、腰にやさしいのがありがたい。
コンサートといえば醍醐味は生演奏。ナンノちゃんの曲で多用されるヴァイオリンが入ったバンドというのはなかなか聴かせます。ヴァイオリン、見せ場多すぎ。バンドメンバーでほぼ主役。
クライマックスは「吐息でネット」。もう完璧に、昔テレビで観たあのナンノちゃんがそこにいました。本物が目の前で歌っているのだと思うと、本当に感激しました。
エンディングでは、40年分の写真をまとめたスライドショー(おそらく300枚近く!)が流れました。途中で「これまさか40年分流すんか」と思いましたがそのまさかでした(笑。次いでスタッフロールが流れた後に突如「NHKホール 追加公演決定」の文字が映し出されるサプライズ。最後は平服のナンノちゃんが登場し、冒頭で使った自転車を押して返却に向かう途中で「追加公演決定」の文字を見上げる――そんな小粋な演出で幕が閉じました。
NHKホールで観たい(行ったことない)のと、そこで歌うナンノちゃんを観たいとなれば、追加公演に応募するしかないのですが、倍率が高そうで当たる気もしないんですが、今度こそ当たるといいなぁ。
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