【インタビュー】~キヤノン 打土井カメラ事業部長に聞く

【インタビュー】市場拡大期にEOSがやるべきこと
~キヤノン 打土井カメラ事業部長に聞く

これは読み応えのあるインタビューですね。

本質的には持ち歩きにくいものですから、それを超える取り柄を持たなければならない。

トップが一眼レフを「本質的には持ち歩きにくいもの」という認識を持っているってのは貴重だと思うよ。自社製品の実使用感すら把握していないメーカーもあるのに。

銀塩カメラの時代は、あまりに簡単かつ低価格な方向に急速にシフトしたため、それまで丁寧な説明とサポートを行ないユーザーとの関係を築いてきた良質の販売店が疲弊

これは銀塩EOS Kissのことだと思うが、低価格すぎてコンパクトカメラの延長でKissを買ってしまい、内容はよく解らないけど販売店に鬼のようなクレームが殺到したということか。Kissの性能や品質に問題があったという認識はないので、たぶん一眼レフならではの特性がアダになったのだろう。たとえば「被写体深度が浅い写真が撮れる」っていうのは一眼レフのアドバンテージだけど、コンパクトカメラに慣れた普通のユ
ーザからしたら「背景がぼけていて良く写っていない」となるわけだ。これは絞ればいいんだけど、今度は手ブレしやすくなる。手ブレしやすかったらISO800とかのフィルムを使えば…ってなると、連鎖的な因果関係が多すぎて、テレビCFで言うように全然簡単じゃない。これはクレームになるわな。

機能を落として安く簡単に、というのは、先ほども申し上げたように良いことはないんです。銀塩時代は、これで一度失敗しています。

確かに、機能を落としても一眼レフの特性が変わる訳じゃないもんな。トヨタがいくらクルマを家電化しても、運転には免許が必要なのと一緒だ。Kissの失敗は、家電化したクルマを「講習なしでも簡単に乗れますよ」と言ってしまったということだろう。

プロ機やハイアマチュア向けセンサーはノイズ対策が主な改善点になっていくでしょう。

そうしてもらうと嬉しい。もうこれ以上の高画素は要らない。

ローエンド向けは画像処理の力を借りてノイズ対策を行ない、その分を高画素化に割り振ることになると思います。

するとローエンド機の方が高画素、という逆転現象が起きそうな気がするが、EOSを買うようなハイアマ以上に「なぜローエンドの方が高画素なんだ」という、道理を理解しない者が現れないことを祈る。

1度旅行しただけで1,000枚以上も撮影してくる。銀塩時代には考えられなかったことです。

この間、迂闊にも出先でCF FULLになった…。帰り際だったのでほとんど問題なかったけど、微妙に切なかった。1GBでは日帰りでも足りない場合があるなぁ。

でも普通に大量撮影ができるようになると、被写体との対峙の緊張感が希薄になりがち。俺の場合、銀塩の頃の方が気合いの入ったショットが多かった。気を引き締めないと、どうでもいい写真しか残らなくなってしまう。

欧米や日本が過去100年かけて構築してきた銀塩写真のインフラが存在しない国でも、デジタルならば製品として成り立つ。

なるほど。この観点はなかったわ。

ボディ内にも防振機能があれば、レンズと通信しながら、ボディ内防振がレンズ内の手ブレ補正機能を“アシスト”することはできると思います。

まぁ実際に必要かどうかはともかく、マーケティング的には必要かも知れないなぁ。現在EOSは手ぶれ補正方向と量は本体に伝達していないはずなので、これをやろうとするとレンズとの通信プロトコルをまた弄らなければならなくなるな。信頼性に影響するので、あまり無茶はして欲しくないのだが。ここぞというときのショットでフリーズしたら悲しすぎる。

フルサイズ機を一般ユーザーの手の届く価格帯に持つことは必須ですので

EOS 40D(APC-C)とEOS 5D(フルサイズ)の価格差15万円。この間のレンジはキヤノンにしては手薄だろう。EOS 40Dに加えてあと15万円は出せないにしても、+6~7万は出せる層(ボディ19.8万レンジ)は多いのではないか。

しかしこういう風にフルサイズのエントリー機が示唆されると、ますますEF-Sには手を出したくなくなるな。EF-S自体の設計思想は共感が持てるのだが、センササイズから来るボケ感の少なさは、物理現象なのでいかんともしがたいので。

使ってる時の気持ちよさや撮影意欲を沸かせる要素を数値化して、開発部隊と徹底的に議論してみたい。

やっぱこういうところも数値化に挑戦してるんだね。俺は職場では「これは数値化できない部分だ」が口癖なので、反省したい。数値化できれば明確に目標が引けるし、達成への道筋も描けるしな。人に何かを指示する上で、数値化は偉大だよ。

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