キヤノンが公開しているバーチャルレンズ工場の「レンズ組み立て工程」がなかなか衝撃的である。白レンズの組み立て工程が見られるのだが、何が驚きかって、
・レンズ等を固定するネジの締め付けトルクを管理していない。治具を使って作業者の腕に依存。
・素手で作業している箇所もある。
・作業者の髪の毛も露出している。
とてもクリーンな部屋で組み立ててるようには見えない。白レンズや赤鉢巻きは基本的には防じん防滴構造なので、製造時にはチリ1つ入らないように組まれていると勝手に思いこんでいた。しかし上記の作業風景が「撮影のためのデモ」でなければ、あのような環境であれば、どのレンズにも多かれ少なかれチリは入っていると思われる。
極度にクリーンな環境で組み立てる訳ではなく、性能に影響ない範囲でのチリの混入は許容する。おそらく、それでコストと性能のバランスを取っているのだろう。どのレンズにも内部にしゅう動部があるので、ユーザが使い始めてからのチリも発生するものだし。修理センタで点検させれば、そこでもチリは入るだろう。
購入時に在庫品のレンズを開封させ、チリが混入していないか確認してから購入するユーザもいると聞く。その気持ちは解らないではないが、キヤノン側もある程度のチリは仕様範囲内であるというのなら、そう明示して欲しいと思う。初期不良として扱われてしまった製品のロスコストは、結局ユーザ全員が広く薄く負担していることになるのだから。
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