ふと思い立って子供に「まんが日本昔ばなし」のビデオを見せたら、これが大受け。しかし私の目から見て、知っているつもりの話でも、「こんな話だったかなぁ?」と思う話がいくつもあり、しかも結構残酷だったりして驚いている。たとえばこんな具合だ。
■カチカチ山
いたずら狸がおばあさんを撲殺。不憫に思った兎が復讐のため狸を溺死させる話。
■花咲か爺さん
可愛がっていた犬が隣の家の爺さんにリンチで殺される。
■さるかに合戦
意地悪な猿が、大量の柿弾幕で蟹に重傷を負わせるが、復讐される話。
■浦島太郎
虐められていた亀を助けた青年が、誰も知り合いのいない300年後に飛ばされ、余命を奪われる話。
つくづく日本の歴史の中で、法治国家である時間はほんの一瞬に過ぎないことを実感させられるし、それはとても危ういバランスで、人間の本質はいつの時代でも厭らしく、「北斗の拳」に描かれる未来もあながちフィクションでもないのかな、とリアルに想像させられる。
一方で「さるかに合戦」に出てくる蟹(善人キャラ)は、植えた柿に対して「♪芽を出せ芽を出せ柿の種~出ないとハサミでほじくるぞ」とか「ハサミでちょん切るぞ」とか、結構粗野なことを言っているのだが、それが市原悦子の声のせいかとても暖かみがあり、子供向けの教材でもここまで粗暴でいいんだと、新鮮な驚きがある。
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コメント
記憶ではカニがサルに殺されてしまい、サルへの復讐劇だったと思っていました。あれ?と思いちょっとだけ検索をかけましたら、最近のは死なないようですね。サルは死ななかったと思っていましたが、死んでしまうおしまいもあるようですね。
グリム童話集やイソップ、初期のアンデルセンも相当なもんですよ。
日本の昔話(民話)も含め寓話が多いので、別にハッピーエンドかどうかはどうでも良いんでしょうね。
>> kubotahiさん
確かに、この手のものはいくつかバージョンがありますね。
浦島太郎しかり。
>> monさん
ですね。子供達も意外と残酷な生き物ですからね(笑