外国人労働者を招き入れなくとも血縁がグローバル化される

今朝のNHKニュースで取り上げられていたのですが、国内で就職できなかった学生が、日本企業の海外での現地募集枠に応募するケースがあるとのこと。特に母国語が英語で、日本人にとって比較的暮らしやすい、シンガポールが人気なんだそうです。

国内で1社も受からなかった学生が、海外に出たら8社の日本企業から内定を受けた、という話もあるとのことで、これは企業が「日本国内採用枠」と「現地採用枠」を区切っているために起きることのようです。

しかし大抵の企業では現地採用されたら給料も現地水準なはず。よほどのことがない限り日本の本社に転属もできません。おそらく、海外の現地枠で就職した学生のうちの何割かは現地の異性と結婚し、子を授かり、現地の人と同化するでしょう。

世界のフラット化によって先進国と言えども、個々人の生活水準は「日本国内での相対能力」ではなく、「世界と比較した相対能力」で決まるようになってきました。海外の人材より劣るのであれば、彼らより良い賃金は貰えないし、母国と言えども先進国で暮らすことができない時代が来たということです。

にしても、物流や情報のグローバル化で日本の生活水準が世界平均まで下がるであろうことは想像していましたが、国内に積極的に外国人労働者を招き入れなくても、まさかこういった形で「血縁」までグローバル化せざるを得ない時代が来るとは思わなかったです。

自分も今年は自社の面接官の仕事を引き受けたのですが、推薦制度が崩壊しており、誰もが何社でも受けて良いという現在の仕組みでは、優秀な人は何社でも受かるし、「普通にいい人」レベルでは1社も受からないという状況を目の当たりにしました。

ただ、これは「企業」という既存の仕組みに一生乗っかって暮らしていこうという話であって、海外で積んだ経験を生かして日本の企業に中途枠で応募したり起業するのは、アリなのかも知れませんね。

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そしてこういった問題に直面すると、やはり思いが至るのが「自分の子供はどうなるんだろう」ということ。さして特筆すべき成績でもなく一芸に秀でているわけでもない子が、あと15年前後で社会に出る…。それまでに親として何がしてあげられるだろう?と考えると、ジョブズ氏のスピーチではありませんが、自分の人生において本当に大事なことだけが見えてくる気がします。

コメント

  1. babyface より:

    初めまして、いつも楽しく読ませてい頂いてます。自分の事でなく、子供の事で当てはめると、微妙な問題って色々ありますよね。このポスト読まして頂いている時に、思わず「そうですよね~」って勢いで書いてしまいました。今の世の中、余裕がないので、結果がすぐに求められます。でもそんな中でこそ、伸びる環境と思えば、それはそれで良いのではと、一応思ってます。人間結構タフですから(笑)。

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