EPSON EP-805A

PC Watchエプソン、従来から約40%小型化したインクジェット複合機「カラリオ」

家庭用プリンタ複合機の世界では近年はスマホ対応などの変化はあったものの、本質的なところでは停滞していましたが、今度のエプソンは体積40%減という大幅な基本スペックの向上を図ってきました。

ep-805a
(エプソンカタログより)

「カラーボックス天板からはみ出さない設計」を念頭にしたというサイズながら、スペック的には先代より劣る部分は見当たりません。対するキヤノン・ピクサスの発表はまだありませんが、ピクサス側が仮にスペック的に足踏みをしたりすると、カラリオの一本勝ちになってしまいそうな気がします。

特に「迷ったらコレ」を標榜する主力機のColorio EP-805Aは、前モデルEP-804Aの欠点とされた「手差し給紙ができない」という欠点を解消した上での小型化と言うことで、「貴様らの頑張りすぎだ!」という開発陣への褒め言葉のひとつもかけたくなります。

液晶が前面にあるというのも、(推奨はされないでしょうが)プリンタ上面が物置と化している場合などでも操作が可能など、実用的です。操作しやすい角度にも調節できるので、低い位置に設置しても大丈夫です。

唯一ピクサスに劣っているのが、「最上位モデルでもスキャナがCIS」というところですが、CISセンサは画像が硬調になりやすいものの、省電力、省スペース、ウオームアップ時間が短い、などのメリットもあり、一般的な利用にはかえって使いやすいのでしょう。

個人的にはスキャナはCISではなくCCD方式の方が画質面で好みなのですが、この辺はテレビにおける「プラズマ」VS「液晶」の関係に非常によく似ていて、勝負は画質だけでは決まらない、環境含めた総合力で決まる、というところだと思います。ええ、我が家のテレビはプラズマですが何か…?

一方、キヤノン対エプソンの陰で「第三の選択肢」的ポジションにいるのがブラザー。眼中にない方も多いと思いますが、スペックを観察してみると実にいい案配だったりします。先日発表されたばかりの主力モデルのDCP-J940Nは4色インクという低コスト構造で、写真画質を極限まで追求しない代わりに、実用レベルのランニングコスト、使い勝手を追求している印象です。

ただ、ブラザーのメカで惜しいのが、CD/DVD印刷と、手差し印刷が排他の関係になってしまうことです。主力機のDCP-J940NはCD/DVD印刷トレイ対応(しかも本体に収納可能)ながら、手差し印刷不可。逆に1つ下のモデルDCP-J740Nはその逆で、手差し印刷に対応する代わりにCD/DVD印刷が不可となっています。この辺のスペックに対する妥協が、ブラザーが永遠の第三位である理由のようにも思います。

話をキヤノン対エプソンに戻すと、間もなくキヤノンの新型PIXUSも発表されるでしょうが、最上位モデルのみに搭載されていたCCDスキャナの扱いがどうなるかが気になります。カメラメーカーとしての矜持を見せつけるのか、はたまた時代の趨勢に流されるのか。仮にCIS方式になってしまった場合、現行のMG8230が最後のCCDスキャナモデルと言うことになりますので、速攻で1台押さえておくかどうか悩むところです。

特に今年の「40%小さい」エプソンを見てしまうと、MG8230の筐体の大きさは家賃の無駄遣いのようにも感じてしまいますし、近年の「インクで儲けるビジネスへの極端な傾倒」を見ると、やっぱり間もなく9年目になるPIXUS MP770を大事に使っておこう、という気持ちにもなってしまいます。

エプソンもキャノンも本来5万円くらいはするであろう複合機を3万円くらいで買う代わりに、1セットで2,000円くらい割高なインクを買わされている…と考えればいいのでしょうけどね。


EPSON インクジェット複合機 Colorio EP-805AR レッド

コメント

  1. 大坂 より:

    「塩梅」

    かと

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