最近このシーンがいやというほどメディアに流れてくるのでついつい見ちゃうんですが、この目が光るのってなんなんでしょうね。
いや、もちろん、科学的考証なんて後付けでいくらでもできるのでそれはいいんです。どちらかというと興味があるのが、演出上の理由の方。
古くからロボットに感情や魂的なものが宿ったことを表現するのに「目が光る」という表現を用いられてはきましたが、これを巨大戦闘用ロボットで用いたのが「マジンガーZ」が初めてだと言われています。確かに鉄人28号は感情表現では光りませんし、鉄腕アトムは巨大戦闘用ロボットではありませんしね。
目が光ることで「起動した」「やる気スイッチが入った」「闘争心をむき出しにした」というような印象を抱きますが、一方でそれは「刷り込み」でもあるっぽいんですよね。子供の頃から巨大ロボットの目が光るのはやる気スイッチが入った合図、という表現が刷り込まれてきたことと、人間に例えれば「目をカッと見開く」「ぎろりと睨む」というような状況に見えなくもないこと、これらが両輪となって「目が光る」という表現が一般的になったのでしょうね。
しかしガンダムはともかく、ガンキャノン、ガンタンク、ジムはその形状から目が光らせようがないわけで、そういう意味では演出上とても不利なデザインだなぁと思います。ファーストガンダムのモビルスーツの人気も「ガンダムと、ガンダム以外はみんなジオン系」に集中するのも、やはり魂が宿って見える、意志があるように見える「目」がある機種が人気になる、ということでしょうか。
作品としてガンダム以外だと、バイファム、エルガイム、ダグラム、ザブングルあたりは構造上「目」がありませんが、これらもロボットの感情表現という意味ではハンデがあったでしょうね。唯一それを覆したのがイデオンで、あれはジムみたいなバイザー顔をしていながら無理くり目を光らせて感情表現する手法が使われましたね。ガンダムも初期稿ではジムみたいなバイザーデザインだったので、その後、決定稿で目が付いたのはガンダムの歴史が大きく変わった瞬間なんだろうなぁと思います。たぶん、ガンダムに光らせられる目がなかったら盛り上がらなかったですよ。
なんてことを、ビコーンと光るガンダムの目を見ながら考えていました。
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