昨日の「Canon PowerShot S100 レビュー(1)実写編」の続きです。
サイズはS95比で幅が同等、高さが微増、奥行きが微減となっており、S90用の純正本革ケース(PSC-2500)に高さ方向がややきついものの、ギリギリ入りました。PSC-2500にあるレンズの切り欠き部にもキッチリ収まるので、光軸とか全然初代S90から変わっていないんですね。感心しました。
ボタン割り当ては天面にGPSが搭載された都合で、従来天面にあった「RING FUNC」キーが背面に移動しています。また、独立した動画録がボタンも設けられた関係で、S95にあった「ショートカット」ボタンと、方向キー下に割り当てられていたセルフタイマーキーが廃止されています。ショートカットキーは機能そのものが削除、セルフタイマーはFUNCメニューの中に引っ込んでしまいました。
露出補正のやり方がS95から変更されていて、S95は方向キーの周りのダイヤルを回すだけで露出補正モードに入ると同時に露出補正が行われたのですが、S100では方向キーの「上」を押して露出補正モードに入ってからダイヤルを回して補正します。S95もS100も露出補正モードではAEロックがかかりますが、S95がダイヤルを回さなくなって数秒で自動的に露出補正モードを抜けてしまうのに対して、S100では方向キーの「上」を押すまで露出補正モードが継続し、すなわち、AEロックも続きます。ここの挙動がS95から乗り換えて「おや」と思う部分ですね。今回、露出補正が「±3」まで拡張されたことで、よりじっくり露出補正ができるように使い方を見直したのでしょうか。S90ではあまりにもダイヤルが軽すぎて意図せずに露出補正されてしまうという問題がありましたが、S95ではその声に応えてダイヤルをやや重くし、S100ではさらに明示的にモードに入らなければ露出補正をできないようにすることで、より意図しない露出補正を避けることを狙ったのかも知れません。
筐体の右手側には指を引っかける凸が設けられました。賛否両論あるところですが、社外品のグリップを付けていた方も多かったですし、S90の当初から「ハンドリングが不安」という声は少なくなかったので、マジョリティの声に応えるという意味では妥当なのでしょう。私は歓迎です。ただ、表面の塗装はここまでザラつかせる必要があったのかは疑問。乾燥した高齢者の手への配慮でしょうか。1週間程度使った限りでは、まだ相変わらず爪が研げます。
動作レスポンスはS95比で起動時間含め、全体的に高速化されています。光学ズームはワイド側、テレ側共に拡張され、ズーム比はS95の3.8倍から5.0倍に達しました。レンズ自体はそれほど大きくなっていないので、デジタル歪み補正の進化で今まで使えなかった領域まで実用になった可能性もあります。
各所で書かれていますが、GPSの補足速度はお世辞にも褒められたものではなく、また、GPSを撮影時のみ利用する場合(ログ機能を使用しない)場合でもバッテリーの消耗は激しくなります。厳密に実測したわけではありませんが、S100でGPSを撮影時のみONすると、S95比で7割くらいしか持たない印象です。せっかく内蔵されたGPSですが、どう付き合っていくかは悩ましいところです。GPSを利用した時刻合わせ機能はありがたいのですが。
付属のストラップは今回もっともの謎の部分で、どうしてこうなった?と思うほど硬いストラップ。その硬さは変形させて自立できるほどで、一体何を狙ってこんなものを付属させたのか全く分かりません。S95のストラップのままで良かったんですけど…これは数少ない改悪点の1つですね。
充電器は横から見た場合でも充電状態が分かるように発光部の形状が工夫されています。これはいいですね。但しバッテリーはS90/S95とは互換性はありません。
従来もEOSのサブ機として利用しても色調の統一感などの面で不満は少なかったですが、撮像素子がCMOS化されたことでよりEOSに近い色調で絵出しができるようになったのではないでしょうか。JPEG撮って出しのサンプルを以下に貼って…おこうかと思って軽く公園で撮影してきたのですが、なぜか皆、高ISO設定になっていてちょっとサンプルになりませんのでまた後日(汗
近年ではサイバーショットRX100なるライバル機が登場したことで、S90/S95ユーザーの買い換え先としてもRX100は魅力的に見えますが、あちらは今日時点で現在のS100の価格の2倍以上ですからねぇ。
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