「風立ちぬ」のBlu-ray版が発売になりました。
宮崎駿氏の長編最終作ということに(今のところは)なっていますが、いままで必ず子供からの目線を意識してきた氏の映画作品の中で、例外的に子供向けではない映画です。絵は見慣れたジブリキャラなので、子供たちは最初は食いつくでしょうが、おそらく最後まで見る気力はないでしょうね(笑
一方で大人にとってはジワジワ来る映画で、自らの欲望と美意識を追求した結果が結果的に戦争の道具になってしまう訳ですが、あえてそこにはほとんど触れずに、夢想と現実の間をシームレスに行き来するのが印象的です。三菱重工の名前が実名で登場するのも異色と言えるでしょう。
色物語部分含めて、理系エンジニアの俺得作品になっている面は否めませんが、そんな中で中年エンジニアの脳天を殴打する有名な決め台詞があります。
「創造的人生の持ち時間は10年だ。君の10年を力を尽くして生きなさい」
これに奮い立たされるエンジニアや芸術家肌の方も多かった筈ですが、一方でガンダムUC epsode 4のネタともなっているセリフと対をなしているのが味わい深いです。
「やりました、やったんですよ!必死に!その結果がこれなんですよ!
これ以上なにをどうしろって言うんです!!何と戦えって言うんですか!」
いいですねぇ。
その時々で信じたいほうのセリフを思い出して生きていけばいいと思います(笑
職業人として一番脂が乗っている時期に、不景気に翻弄され、もがいてももがいても水面に出て呼吸ができなかったおじさん達には、どちらのセリフも刺さると思います。
個人的には「風立ちぬ」を見て「直線型計算尺ブームが来る」!と思っていたのですが、流通が潤沢ではなかったせいもあるのかも知れませんが、来なかったですね(笑
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