STAND BY ME ドラえもん

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けっこうな通り雨に襲われた日の夕方、

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「STAND BY ME ドラえもん」を家族で観てきました。元々事前情報を収集する余裕もなく、子供たちに(例年通りのセルアニメ版ドラえもんやポケモンのような)夏休み映画を見せるつもりだったもので、そもそも私は観るつもりはなく、家で引き続き引越の後始末をしよう…くらいに思っていました。しかし映画に出かける4時間前になって「どうやら、やや大人向けらしい」という情報を把握して、私も一緒に観てみることに。

結果的には、完全大人向け映画でした。

これはうまいところを突いたと思います。子供たちが今も慣れ親しんでいる「ドラえもん」を登場させて子供たちの興味を引きつつ、トヨタのCMなどで徐々に露出されてきた3D CD版ドラえもんのアニメ離れした描写で大人の「今更アニメなんて」という心理的障壁を払拭するという、企画の勝利です。これは家族で観に行くでしょう。客単価上がるでしょう。

ただ、冒頭ののび太がタケコプターを初めて使うシーンは本当に大迫力なので、劇場で泣き出すお子さん(3歳くらいかな?)が居たのも事実(笑 そういうところから、察してください。冒頭でこそ、人間の肌がソフトビニールに見えて仕方なかったのですが、目は10分で慣れました。

内容は基本的に原作に忠実で、「未来の国からはるばると」(単行本1巻)、「雪山のロマンス」(単行本20巻)、「のび太の結婚前夜」(単行本25巻)、「さようならドラえもん」(単行本6巻)などのエピソード7本がシームレスに90分の尺に詰め込まれています。ただ、それを順不同にテンポ良くシーンを繋ぐための(キャラクターの心理的変化を短時間で促すためと言ってもいい)この作品専用の「ある追加設定」があります。これは賛否両論あると思いますが、これがあると7本のエピソードが鮮やかに90分に繋がるのは事実。でも、私もどちらかと言えばこの追加設定を使わずに7本を繋いで欲しかったかな…と思いました。だってその「追加設定」が発動した際の描写がアニメの似たような描写と比べてリアルすぎるためか、それはそれで泣き出す子供が居ましたからね(;´Д`)

ドラえもんの道具にそこはかとない現代的解釈が加わり、リアリティが感じられるのも3DCG版ならでは。その一方でジャイアンなどの昭和のモチーフは意外にもそのままで(いや、それを崩すと今回の話は成立しませんが)、ああいう同級生に向かって殴る蹴るのような描写は今の子供たちにはピンとこないだろうなぁとも心配になりました。あんなジャイアンみたいなのがいたら、イマドキなら訴訟起こされますって(ぉ

さて、話を本筋に戻すと、自分は子供の頃にドラえもんを読み過ぎたためか、全てのエピソードが今でも鮮やかに思い出せ、元々それぞれが大変感動できる話であることを体が覚えているので、3D CG化した美麗な映像を持ってしても改めて感動するということはありませんでした。しかし「ドラえもん」は子供の頃は読んだけれど、もう何十年も読んでいない…という客層には確実にフックすると思います。特にドラえもんの劇場映画と言えばなぜか日常生活を飛び出して未来や過去や異世界に冒険に出かけるものに決まっているという認識の方には特に観て欲しいと思います。「ああ、ドラえもんってこうだったよ!」とか「ドラえもんってこんなにいい話だったっけ!?」とか、発見があると思います。

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しかし逆に言えば、原作の素朴な絵柄でも脳が絵柄を補完するのでしょうか、感動レベルはさして変わらないような気がするので、そういう意味でも原作の凄さを改めて認識させられます。

一方子供にとっては、しずかちゃんのパパのあの名台詞のシーンはさすがに退屈なようでした。でも大人はあそこが一番「ドラ泣き」するポイントでしょう? でもけっこう子供向けの見せ場も多いので、ウチの子たちはちゃんと90分、座ってましたよ(笑

のび太くんが冒頭ではランドセルのワンタッチロックをせずにぷらぷらさせているのに、彼の精神的な成長に伴い、ラストシーンではしっかり留まっているところに感心しました。細かいなぁ。

ドラえもんを昔読んだけれど、もう何十年も観ていない、という層にお勧めできる良作だと思います。


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