ウッカリにも程があるが…

<置き去り死亡>2歳児、車内に8時間 父親降ろし忘れ出勤

意外とコメント欄が「わざと」「あり得ない」「忘れるなんて知的障がい者」「他の事件の香りがする」というテンションで驚きます。たぶんコメント欄の常連は決まったメンバーなので意見も偏るのかも知れませんが、自分はこのニュースを見て心が掻きむしられるような悲しみを覚えると同時に、まったく人ごとではないと思いました。

たとえば私は先日、会社からの帰りの電車内で「挽肉(だったかな?)買ってきて」とツマからのLINEメッセージを受信しました。電車に乗った後だったので、自宅までの間で挽肉が買える場所は駅直結のスーパーしかありません。自宅の最寄り駅まではあと電車で10分かかります。その10分間、私は明日の仕事のことを脳内整理していました。(普段は帰りの電車であまり仕事のことは考えないのですが、この頃はとても細かいタスクが多い頃でした。)

自宅最寄り駅のホームに着いたあと、いつも乗るエスカレーターに乗りました。しかし本当は駅直結のスーパーに行くにはもう1つの別のエスカレーターに乗る必要があったのです。毎日のルーチン帰宅ルートからそれることなくその日も私は帰宅しました。そしてツマの顔を見て初めて、挽肉を買い忘れたことに気がついたのです。

これ、「会社の行きか帰りか」「買い物か保育園の送迎か」「電車か車か」という違いはありますが、やらかしていることは同じですよね。皆さんもこの程度の経験は1度や2度あるのではありませんか?

他にも、

・休日用の靴を履いて出勤した
・ハンカチ忘れて出勤したが、だったら駅で買おうと思ってたけどそれも忘れた
・ズボンのベルトをするのを忘れたことに会社でラジオ体操するまで気がつかなかった
・弁当に箸を入れるのを忘れた
・通勤鞄になぜか家族の靴下が入っていることに帰り道で気がついた(←

これくらいは全然普通にあります。

「車から降りるときに子供が居ることに気がつくだろう?」と思われるかも知れませんが、スーパーでしばしばアナウンスされる「お車ナンバー xx-xxのお客様、ライトがついております。至急お車までお戻りください」の頻度を考えれば、駐車した車に何か忘れるというのも珍しいことではありません。そのサンバイザーに挿したままの駐車券は何ですか?という話です。

もちろん、何重ものウッカリが重なった結果ではあるのですが、だからこそ確率的には低くこうしてニュースになっているわけです。私は亡くなった子供の冥福を祈りたい気持ちはある一方で、この父親を責める気にはなれないのです。

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