「かぐや様は告らせたい」の赤坂アカさん原作、「クズの本懐」の横槍メンゴさん作画の「推しの子」の書籍版を買いました。
「かぐや様」はドラマ版でジャニーズが出ていることもあってうちのムスメが原作を読んでいたし、世間でも流行していたのも知っていたので、アニメも未見ながらまぁ面白いんだろうと思っていました。
一方で横槍メンゴさんは狂気の女の子を描かせたらもう素晴らしくて(語彙)、繊細さとパンチ力が同居する感じの漫画家さんです。
どちらも独立した漫画家としてやっていける方ですが、それが手を組むということで期待できる…というか初見はそういった分業をされていると知らずにtwitterに流れてきた第一話を読んでしまったのですが、これまた凄い作品に出会ってしまった感じです。
書籍版を購入したのは、1話目を電子版で読んだ印象で、「これは原作者繋がりでムスメも読むのではないか?」と思ったからです。どうかな。
人気上昇中の16歳のアイドル「星野アイ」が、地方の産婦人科医「ゴロー」の元に診察を受けに来ます。ゴローは星野アイの熱狂的なファンで、推しのアイドルが妊娠して目前に現れたことに困惑します。しかし子供を持ったことを秘密にして、アイドルという「嘘」を演じ切って両方の幸せを手に入れたいという決意を聞き、彼女に協力する意思を固めます。
しかし迎えた出産予定日、そこに主治医であるはずのゴローの姿はありませんでした。言ってませんでしたけどこれサスペンス漫画ですから。
何とか帝王切開を回避し、双子の母になった星野アイ。我が子を抱くこの描写にキュンキュンします。
アイドルと母の二重生活を両立し、スターへの階段を駆け上がるアイ。ついには東京ドームコンサートにまで辿り着きますが、その当日に悲劇が起きます。しつこいようですがこれサスペンス漫画です。
読み終わってみれば実はこの1巻は丸々プロローグだったという展開。こんな贅沢なプロローグがあるでしょうか。魔法少女まどか☆マギカのような序盤で主要キャラがアレするアニメは結構見たつもりでいましたが、参りました。降参です。
時々挟まれる「本作を振り返る未来の登場人物のインタビュー」がまた程よく伏線になって、緊張感を盛り上げます。
横槍メンゴさんだけでも充分良い作品は描けるのですが、そこにいま乗っている赤坂アカさんが原作を書くことで、横槍メンゴさんの絵のパワフルさがさらに際だったと言えます。
ちなみにタイトルの【推しの子】ですが、ダブルミーニングですね。1巻と、2巻以降では意味が変わりますね。
アニメ化待ったなし。これは放っておかれないでしょう。
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