ゴジラ-1.0 @ 横浜ブルグ13

見ようかどうか悩んでいた映画、ゴジラ-1.0を観てきました。時間と場所の都合が付けば観ようか…と思っていたのですが、都合が付いたことと、観た方の評価が結構高めだったので観ることにしました。

各座席ごとに両肘掛けがあるブルグ13で観たのですが、さらにゆったりとしたシートで隣の人との間隔も広いIMAXプレミアムシートにも若干空席があって「おっ」と思ったものの、お値段が3,500円だったので冷静になりました。IMAXではない部屋の普通のシート(2,000円)で観てきました。それでも両肘掛けなので他の劇場と比べると快適です。

山崎監督って職業監督というか、与えられたミッションをこなす監督というイメージが強くて、どんな作品でも観た人の心を激しく揺さぶる…というよりは、強烈なダメ出しをされずに平均的には80〜90点の作品に仕上げる…という印象なのですが、今回もそんな感じでした。自分はシン・ゴジラより前のゴジラをあまり真面目に観ておらず、ゴジラの何を語れるわけでもないのですが、すべてが卒がないというか、ゴジラ映画70周年記念に相応しい作品になったのではないかと思います。とにかく正統派で、古くからのファンも納得できるのではないでしょうか。

一方で、シン・ゴジラのようなお祭り騒ぎの雰囲気を求めると肩透かしで、本来ゴジラはこうだった、というところを突き詰めていると思います。ゴジラは一時期子供よりコンテンツに舵を切った時期もあるようですが、良くも悪くも子供世代がゴジラから離れたことで、思い切って当初描こうとしていたゴジラの正統な後継作品として作れたのではないかと思います。

劇中、凄腕の整備士(橘)が幻の試作戦闘機「震電」の状態をチェックしている中で、座席を見て目を見開いたところで結末は予想できてしまったのですが、そういった綺麗な伏線と回収というのもこの映画の美点でしょう。

ただ映画本編と関係ないところで気になったのは、準主役の子役の子があまりにもリアルに悲しそうに泣くので(映画本編から浮いているくらいガチ泣きなので)、あれ、カメラ画角の外で泣かすようなことをしているんだろうなぁ…というのが気になりました。現在、撮影時に動物を虐待することは避けるのが基本ですが、もしかすると近い将来、子供を泣かすようなことをして撮影するのも禁止になるのかも知れません。となると、子供が泣くシーンはVFXで…となるかと思いますが、もし今回すでにあの泣き顔がVFXだとしたら腰を抜かします。

タイトルは戦後のゼロからの復興をマイナスに叩き落とすゴジラという意味のようですが、それでも「.0」の小数点以下の部分は意味が分かりません。私の解釈では、前作を撮った庵野監督の「エヴァンゲリオン」のバージョン表記に刺激を受けたのではないかなと思っています。ただ、エヴァンゲリオンの小数点を用いたバージョン表記も、コンピュータソフトウエアのバージョン表記法を転用した(ターゲット世代にしっくりくる表現だった)ものだと思っていますけどね。

やっぱり自分はゴジラ世代ではないせいか、特に心の奥底から沸くような感情はないのですが、あの「シン・ゴジラ」の次の作品として、全く見劣りしない作品が出てきたのは凄いなぁと思いました。

あと劇場はかなり年齢層高めで、マナーは結構悪かったですね。高齢者なので仕方ないですが、いつまでも会話している人、杖を突いてゆっくりした動きで延々とスクリーンを横切る人、靴底で貧乏揺すりの音を立てる人、憚らずにポップコーンの咀嚼音を立てる人…これとくらべると私が普段見ているアニメ映画はやっぱりオタクが本気で来ているせいか、割と静まりかえっています。「静かでいられる」というのも、若い人でないと難しい行為なんだなぁと改めて感じました。自分もいずれ、ああやって音を立てる側の人間になるのでしょう。

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