自転車を17年ぶりに買った。理由は色々ある。ツマがまだ自転車の乗れない下の子を連れて狭い道を経由して移動したい需要とか、上の子が自転車に乗れるようになって付いていくのが大変とか、今所有しているママチャリがスポークすら錆だらけで乗るのが怖いとか。
ここまでは環境の都合である。だったら普通のママチャリを買えばいい。2~3万円くらいの。
でも私が一度乗ってみたかったのである。電動アシスト自転車というのに(笑)。この製品は16年ほどの歴史があるものだし、ご近所でも皆さん乗っていらっしゃるのでそんなに気負って買うほどのものではないのかも知れない。しかし電動じゃない自転車の数台分のお値段がするのは事実なので、清水の舞台とは言わないが体育館の舞台から飛び降りるくらいの覚悟は必要だ。
そんな訳で我が家に初の電動自転車がやってきた。車種選定に当たってメーカーは信頼性で老舗のヤマハに早々に決まったが、モデルは結構悩んだ。最終的には折角買うならばと、装備充実、大容量バッテリーで頻繁な充電が不要な「PASリチウムL」にした。そう、悩んだら高い方。標準ママチャリタイプのPASの中では最上位モデルである。
装備を確認してみよう。
メインのロックは後輪に付いている。PASリチウムLでは、ここをロックすると前輪の操舵もロックされ、駐車中の安定性向上に役立つ。但し、荷台に子供用のシートを取り付けるとこの鍵が操作しにくくなるのが難点。
ヘッドライトLEDはPASリチウムLでは0.5w×2灯。メインのリチウムイオンバッテリーから給電し発電機は不要、車両停止状態でも点灯する。
テールランプLEDはソーラー充電式で、周囲の暗さおよび車両の振動を検知して自動点滅する。車両が停止すると数分で消灯する。
左手ハンドル側に付いている操作パネルではメイン電源のON/OFF、モーターのアシスト量の切換、ヘッドライトON/OFFが行える。ヘッドライトを点灯すると、操作パネルのインジケーターが眩しくないようにディマー機能が働く(輝度が下がる)のがいい。
右手ハンドル側には3段変速機が付いている。停車中でも変速可能である。ベルは他の部分に比べてやや安っぽさを感じる部分。おそらく量販店で500円程度で売られているグレード。
タイヤは後輪のみ耐久性に優れたタイヤが奢られている。これもリチウムLモデルの装備だ。
乗ってみた印象だが、「誰かが押してくれているよう」というのはまさにその通りで、まるでターボ車のような発進加速が味わえる。今年から規制緩和で人力1に対するモーターのアシスト量が1から2にアップされたが、それは低速時の話なので、荷物を多めに積んだり、坂道発進でもしなければあまり恩恵は感じないかも知れない。しかし電動アシスト自転車がこんなに楽なものだったとは、軽く驚きである。
なお、危険なので時速24km/h以上ではアシスト量は0になり、ちょっと車重のある自転車と同じになる。バッテリーが切れた場合も普通の自転車と大差なく運転できる。初期のPASではバッテリーが切れるとやたら重くて困るという話があったことを考えると、進歩しているのかと思う。
電動アシストの力は絶大で、近所のすべての坂道をサドルに座ったまま登坂することができた。もちろん踏力の何割かは人力なので、全く疲れない訳ではないが、今まで自転車を押して登るような場面でもスイスイ登ってゆけるので、坂の多い地域では所要時間の短縮にもなる。
電動アシストは実に自然で、初めての運転でも数十メートルも走れば慣れるように躾けられている。違和感を感じる部分と言えば、信号待ちなどでペダルに片足を乗せていると、モーターが人力のブレに反応し、ピクピクと脈打つのが感じられるくらいだ。
モーターの音は僅かに聞こえる。しかし一般の自転車のヘッドライト用のダイナモの音よりはだいぶ小さい。音質はダイナモの音にやや似ているように思う。
写真はないが、子供を乗せるシートとしてOGK RBC-007DXNを調達し別途取り付けた。安定性をアップするなら前寄りに付けたいが、あまり前寄りだとお尻と干渉したり後輪の鍵がかけにくかったりするので位置は試行錯誤した。
すっかりクルマに慣れて自転車から遠ざかっていた私だが、たとえ暑い日でも風を切って走る爽快感は、オープンカーに通ずるものがある。平坦地が少ない住宅地に住んでいるが、近場でのお買い物やちょっとした外出が楽しくなりそうだ。とりあえず時間ができたら、クルマでは躊躇するような近所の狭い路地を探検してみたいと思う。
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ヤマハ パス リチウムM PZ26LM【2009年モデル】
ヤマハ パス リチウムL PV24LL【2009年モデル】【新基準対応】
コメント
次は、パパ用ですね。
都内でも結構さかが多いので、電動アシストは便利です。
三洋の折りたたみだと、車に積めて、便利かもしれません。
http://products.jp.sanyo.com/eneloopbike/lineup/spj/
エネループバイクは回生充電がついていて興味深いですよね。
でも暫くは妻と兼用です(笑