EOS 7Dセミナーレポートの最終回として、要望事項などを書いてみたいと思います。
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過去機種の欠点をこれでもかというほど改良してきたEOS 7Dですが、でもまだまだやることはあります。
まず「ピクチャースタイル」ですが、これはシチュエーションにハマると、肌を美しく見せたり風景をより鮮やかに見せる実に強力な機能なのですが、撮影後にウッカリ戻し忘れると、泣きを見ることがあります。たとえば「ポートレート」モードのままで電球光でブツ撮りすると、細部がベッタリ潰れてしまいます。具体的な方法はキヤノンの優秀なエンジニアにお任せしたいと思いますが、ピクチャースタイルの戻し忘れ防止手段を搭載して欲しいと思います。「RAWでええやん」という解はナシの方向でお願いします。
カード未挿入時のエラー表示も、撮影後ではなくシャッター半押しで表示してくれると嬉しいです。気合いを入れたワンショットのあとに「カードがありません」表示はドッと疲れが出ます(笑
ニコンやEOS-1系にはあると聞きますが、ISO=Auto時の「最高感度」と「最低感度」の設定もぜひミドルクラスにも実装を検討していただきたいと思います。たいしたコストがかかるわけではありませんし、現状ではイマイチISO=Autoに頼り切れる気になりません。
EOS 7(7Dではなく、フィルム時代の7)にあった「視線入力」機能を搭載して欲しい、という意見はセミナーの時にもありましたが、個人的には不要に思います。カメラ開発センターの戸倉剛部長はセミナーの席で、「当時のものをそのままであれば、今すぐにでも搭載可能」とだけ言いました。その先は口をつぐんでしまったのですが、分野は違うものの同じメーカーの者として、勝手に代弁しましょう(笑)。
EOS 7に視線入力が搭載された約10年前と今を比較すると、未完成の技術に対するユーザーの許容度が少なくなってきたように思います。今やDSLRの売り上げは、フィルム時代を超えています。それだけ幅広いユーザーがDSLRに手を出していることの表れであり、当然、素人意見の口コミだって広がります。
私もEOS 7ユーザーでしたが、視線入力は決して完璧ではありませんでした。ユーザーごとにキャリブレーションが必要なので、店頭では実力をアピールしにくいでしょう。キャリブレーション済であっても、使いこなすには一定の熟練が必要だと感じました。
結果、これからキヤノンでも買ってみようかというユーザーには「視線入力は難しい」「思ったところにピントが合わない」と感じるかも知れません。そして巷には「思ったところにピントが合わない」が伝言ゲームのように内容が変化しながら伝搬し、「キヤノンのカメラはピントが合わない」という噂が広まります。実際の販売の現場なんてこんなものです。
事前調査で何割のユーザーを満足させられれば市場投入して良いか。このしきい値がこの10年で上昇してしまったのが、視線入力が近年搭載されない一番の理由ではないでしょうか。
最近のミドルクラス以上のEOSに搭載されている「マルチコントローラ」(いわゆるジョイスティック)はファインダーを覗きながら操作可能ですし、視線入力の代用には充分なり得ると思います。
「ボディ内手ぶれ補正」を搭載して欲しい、という声もありました。ただ思うに、ボディ内手ぶれ補正は撮影の瞬間に補正するので、視野率100%と両立しないような気がするのですが…どうでしょう? また、これだけISレンズが充実してきてしまっている現状では、今更引き返せない、という気はします。性能もレンズの設計ごとに特性を追い込んだレンズ内手振れ補正の方が、おそらく上でしょうしね。
それとこれはEOS 7Dにではなく、セミナー自体の運営についての要望です。まず実写時間と質疑応答が短すぎると思います。それらを確保するためにパワーポイントの時間は半減しても良いと思いました。
それといくら時間がないとはいえ、実写時に頭ごなしに「設定を弄るな」はないと思います。EOSを初めて触るユーザーにはそれでもいいのでしょうが、EOSに慣れたユーザーのことも考慮して欲しいと思います。設定を弄れないDSLRなんて、しかもEOSなら大抵は綺麗に撮れてしまうのですから(笑)、撮影者は「単なるシャッター押し係」になってしまいます。
キヤノンとWillViiには、上記の点をぜひ考慮頂きたく、お願いしたいと思います。
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コメント
個人的にはRAW同時記録で設定ミスは回避していますが、
Undo領域を内部メモリに持たせるのはあったら良いなぁと思います。
「しまった」と思ったら、そこでRAWを追加保存できるような仕組みでも良いと思いますし。
ISO AUTOについては、D300だとベースのISO感度、
AUTOの制御上限感度、低速限界設定(最低シャッタースピード)があります。
本体内手ぶれ補正については、α900ですでに視野率100%を実現しています。
手ぶれ補正をするということは「撮り始めた時点でのファインダー視野をキープ」
するわけですから、視野率とは実は関係ないと思います。
すみません。ひとつだけ訂正です。
K-7やE-3も視野率100%で本体内手ぶれ補正を装備してますね。
個人的にはNikonやCanonにも本体に搭載してほしいですが、
ビジネスモデルから考えるに難しいのではないかと思っています。
私の場合、カード未挿入時のエラー表示については今まで使ってきたEOSすべてに「カードなしレリーズをしない」に設定して使っています。
何かのテスト時のみ「カードなしレリーズをする」に変更する様にしています。
ISO AUTOの上限や下限設定については賛同いたします。
非常に参考になるレビューありがとうございました。
クマデジタル様とSAIKA先生のレビューに魅せられ、
先日7Dを購入いたしました。
・・・さっそく出た残像問題も含め(苦笑)、ぼちぼち弄っていきたいと思います。
>>MacBSさん
あっそっかー。確かにセンサシフト方式でも
視野率100%は大丈夫っすね。
>>ペンギンさん
いやー、シャッターを切る瞬間まで行ったら
ダメなんですよ~(–;
>>TAKE。さん
や り ま し た ね !
残像問題は初期ロットの勲章ですよ!
ぶっちゃけ、5Dだってガンガン増感すれば
横縞だらけですよ!(笑
秒8コマ、最初凄いですけど、
慣れるとそれが普通ですよね!?
あまりうれしくない勲章ですね(苦笑)。
秒8コマ、ためしに娘を撮ってみましたら、音にびっくりした顔が写っておりました・・・。
キヤノンこだわりのシャッター音も、撮影者以外には騒音なのかも知れません(苦笑)。
残像問題、ファームupで治す気みたいですね。
よかったよかった。
娘さんもそのうち慣れますよ!
ライブビューだとシャッター音が消せて便利かも。